こんな人にオススメ
Klipsch T5っていう完全ワイヤレスイヤホンがZIPPOぽくて欲しいんだけど、実際見た目とか音ってどうなの?それに他の付加価値ってどうなの?
圧倒的重厚感を自分も味わいたいけど、性能が微妙ならパスしたい...
ということで、今回はKlipsch(クリプシュ)の「Klipsch T5 TRUE WIRELESS」について紹介・レビューする。実はこのイヤホン、執筆者が初めてお高めな完全ワイヤレスイヤホンとして買ったもの。色々と訳があって今はおうちでのサブ機。メイン機は「Jabra Elite 75t」でこれについては以下の記事参照。
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【Jabra Elite 75tレビュー】今でも戦える主戦力
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発売当時はZIPPOに似たケースで話題になった(見た目も重さも)。今では後継機の「Klipsch T5 II TRUE WIRELESS」が発売されており、かなり値下がりしているので購入を検討している方は是非とも本記事を参考にしていただきたい。


目次(クリック・タップでジャンプ)
ZIPPOじゃん
完全ワイヤレスイヤホンはAppleの「AirPods」を皮切りに、同じくApple「AirPods Pro」やSONY「WF-1000XM3」で爆発的に売れた。
見た目が最高
しかし、その多くは音質やANC(アクティブノイズキャンセリング)、防水性能など機能面に注目されがち。そんな中、異質な見た目を放つのが今回紹介するKlipsch「T5 TRUE WIRELESS」。完全に見た目はZIPPO。他のイヤホンがマットな質感かプラスチッキーな見た目なのにT5はギラギラ光っている
重さは超弩級
写真では伝わりにくいかもしれないが、ケースには金属を使用しておりその重量も超弩級の95.8 g(公称値)。AirPods Proのケースが45.6 g(公称値)で大型ケースのSONYのWF-1000XM3は公称値はなかったがさまざまなサイトを見る限り75 gほど。かなり重そうな印象のMaster & DynamicのMW07 PLUSでも84 g(公称値)なのでT5はかなり重い分類。
でもその重厚感がしっかりカッコ良い。
T5 TRUE WIRELESSのスペック
最大再生時間 | 本体8時間・ケース併用32時間 |
ANC | × |
外音取り込み | × |
防水・防塵機能 | IPX4 |
ワイヤレス充電(Qi) | × |
専用アプリ | IPX4 |
コーデック | SBC、AAC、aptX |
ドライバー | 5 mm |
装着検知 | × |
操作変更 | × |
タッチ式かボタン式 | ボタン式 |
強み | 見た目の重厚感 |
以前のJabra Elite 75tに比べると機能面では圧倒的に劣る反面、圧倒的な重厚感が魅力。
操作部分について
T5はボタン式で画像のロゴを囲うオレンジの楕円の部分全体が沈むことで操作することができる。操作については以下。
- 右一回:再生・一時停止
- 左一回:音声アシスタント
- 右二回;曲送り
- 左二回:曲戻し
- 右長押し:音量アップ
- 左長押し:音量ダウン
以上。左右それぞれで三回操作があってもいいと思う。しかも2021年4月18日時点ではiOS版、AndroidOS版(実際に執筆者の使用しているのはColorOSなので仕様が少し異なるかも)ともに操作変更はできないようだ。
イヤホン自体が耳から少し飛び出る仕様なので、ボタン操作時には親指と中指で楕円形の部分を抑えて人差し指で押すと安定して操作することができる。
アプリ操作
アプリは「Klipsch Connect」というアプリを使用する。
アプリ起動と初期画面
アプリを起動すると以下のようにイヤホン本体と同じような黒とオレンジの背景・模様とともにKlipschのロゴが出現する。起動が完了すると自動的にイヤホンを検出してくれてそのイヤホンの外観を表示する。
起動・検出が完了するとイヤホンの外観と左右のイヤホンのバッテリー残量を確認することができる。
基本的な機能としては
- ファームウェアアップデート
- 説明書確認
- イコライザ調整
以上。少ないぜ。まあ、前回のJabra Elite 75tがなんでもできるアプリだったからこれと比べるのは酷ではある。
イコライザ
イコライザは既定の6種類と自分で設定できる1種類が用意されている。設定は1段階ずつ-6から+6まで。元から高音がよく出ているがイコライザをいじるとシャリ感が強くなる印象。低音はそんなに強くない。
良い点
割と絶賛と酷評の差が激しいが、ここでは良い点についお話しよう。
圧倒的重厚感
何回言っているんだというツッコミが入るが、このイヤホンの一番のインパクトといえばここだろう。今はおうちでのサブ機だが、以前メインとして使用していたときには必ずと言っていいほど見た目についての話をされることが多かった。
個人的に大体の人は完全ワイヤレスイヤホンはAirPodsかAirPods Proかそれ以外かという認識しかないと思っている。さらにAirPodsとProはプラスチッキーな白色な中でのこの金属ケース。しかもひんやり冷たくめちゃくちゃ重たい。このインパクトで話に花が咲くのはとても良い点だと思う。
高音がキレイ
以前レビューしたJabra Elite75tは低音ズンズン系のイヤホンだったが、T5は逆に中音から高音の響きがキレイ。執筆者自身はジャズやテクノを作業中に聞くが、ジャズはキレイに聴こえるし、テクノはガンガン調子に乗らずにキレイに聴くことが出来る。
密閉度が高い
画像を見てもらうとわかるが、T5はノズルがめちゃくちゃ長く、さらにイヤーピースも長めなので耳の奥の方までガッツリ入る。これが嫌な人もいるだろうが執筆者自身としては問題ない。むしろガッツリ耳に入ることで密閉度が高く、ANCによる機械的なノイズキャンセリング非搭載なのにノイズをかなりカットしてくれる。俗にいうPNC(パッシブノイズキャンセリング)だ。
しかもこのイヤーピースは楕円形で「特許取得済のオーバルイヤーチップ」なので、向きを考えて耳に入れるとピッタリハマると思う。ただ、このイヤーピースの素材がスベスベ気味なので取れそうという感覚は正直ある。
充電はType-C
執筆者自身の購入条件としてType-Cでないと購入検討から外れる。MacbookもType-CだしスマホもType-C。ならイヤホンもそうでしょう、ということ。残念なのがワイヤレス充電には非対応ということ。まあANCつけないから充電の減りが少ないことを考えれば大丈夫か?
微妙な点
使ってみて微妙だと感じた点について述べていく。なお、アプリ関連や接続については端末依存があるかもしれないのでそこは予めご了承ください。
ケースがパチンと言わない!
ZIPPOライクな見た目なので、ケースを閉めると「カチン!」と音が鳴るかと思いきや「カポン...」という低めの音。え、金属なのに金属音っぽい高い音じゃないの、という気分。カチンなら無意識でも開け閉めするのに...。
アプリがしょぼい
上で見たように操作変更ができないし、アプリ自体も質素。さらに、イコライザは音楽再生中にアプリを起動すると高確率で画像のようにイコライザを使用できない。つまり、音楽を再生しておかないとイコライザはいじれないということ。そういえばこういうイコライザってどうなんだろう、今設定して後で聴いてみよう、ができない。
逆にアプリを起動してから音楽を再生するとイコライザが使用可能になる可能性が上がる。まあイコライザってそんなにいじらないと思うので気にしていない。
そんなにコンパクトではない。
最近の完全ワイヤレスイヤホンのケースは小型化が進んでいるが、T5については発売時期が2019年9月発売、すなわちAppleのAirPods Proよりも前に発売されており、SONYのWF-1000XM3のような大型機種が目立っていた時期。まあ仕方ないか。Jabra Elite 75tの時の大きさ比較でも使用したリップクリームと比べると画像のような関係性。上の画像では伝わりにくいが、奥行きがある印象。
イヤーピースが独自設計
これが一番のデメリット。微妙な点どころじゃない。最近の完全ワイヤレスイヤホンだとイヤーピースが独自設計のものが多くなっている印象がある。例えばAirPods ProやJabra Elite 85t。これらは楕円形のノズル先端に楕円形のイヤーピースを装着する。サードパーティー製のイヤーピースも柔軟性のあるものだと無理矢理使用することができるようだ。
一方でKlipsch T5 TRUE WIRELESSの場合は独自のレベルが段違い。通常イヤホンのノズル側には段差があり、その段差にイヤーピースの段差がマッチして外れにくいという設計になっている。しかしT5の場合はイヤーピース側に全ての構造を収めている。でもイヤーピースって柔らかいから固定できないんじゃない?違うんだ。イヤーピースにプラスチック製のイヤホン本体との接続用のパーツが取り付けられているんだ。このパーツがイヤホン本体に「パチン」とハマることでイヤホンと接続する。
ここで難点があって、イヤーピースを外そうとすると、「イヤーピース+接続用パーツ」が取れるのではなく、「イヤーピース」だけが外れて「接続用パーツ」がイヤホン本体に取り残される時がある。こうなったら最後。もともと接着されていたので無理矢理ねじ込んでも耳の中でイヤーピースが外れる原因になる。画像はイヤーピースを外そうとして接続パーツが外れたもの。やってしまった...。実は買った初日から既にイヤーピースを一つ破壊してしまっていた。
解決案を考えていたところ、手元にあったfinalのTYPE Eが余っていたので取り付けてみた。
イヤーピースやノズルが独自設計なので無理矢理ねじ込んでいるから軸が広がってしまっている。しかし、TYPE Eをつけることで密閉度が上がり、遮音性が高くなったような気がする(イヤーピースを破壊したので比較ができないが)。
気をつけてほしいのが、サードパーティー製の通常の円形イヤーピースをねじ込めば使えるが、ケースにハマらなかったり耳から外すときにイヤーピースが耳に取り残されることがあること。幸いTYPE Eはガッチリノズルに入っていて外れない印象。ケースにもすっぽりと収まった。
見た目にパラメータを全振りしているが、それで良いんだ
今回はKlipsch T5 TRUE WIRELESSを紹介した。見た目とその重量が凄まじくて見た人全員を釘付けにするかのようなイヤホンだったが、ソフトウェアやイヤーピースに難点があるのが事実。後継機T5 IIが発売されてしまったので、アップデートなどは期待できないが、実は元の価格の2.7万円くらいから今では1万円を切るくらいまで値段が下がってる。この重厚感とクセを試してみたい方は是非とも検討していただきたい。
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