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Pythonでの比較

【plt vs plotly】matplotlibとgoでグラフの比較

2021年6月26日

こんな人にオススメ

今までpythonのmatplotlib.pyplotpltでグラフを作成してきたけど、plotlyってどんな感じでグラフを描けるん?

pltとの比較で示してくれ!

っということで、pltplotlyで同じ内容のグラフを作成して比較する。つい先日、実際に同期にplotlyってどうなん?と聞かれたのでここに記しておく。ちなみにその同期はこのブログの存在を知らない(はず)。

python環境は以下

  • Python 3.9.4
  • numpy 1.20.3
  • matplotlib 3.4.2
  • plotly 4.14.3
  • plotly-orca 3.4.2

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下準備

まずは下準備としてimport関連。pltについては以下。plt.ion()をすることで、ipythonなどでインタラクティブモードにすることが可能。

執筆者は基本的にVScodeの「Code Runner」という拡張機能を使用しているのでion()にしなくてもいいが、Code Runnerの場合はpltのグラフを表示して確認することができないため一応記載。

Code RunnerなどのVScodeの拡張機能については以下参照。

import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np
plt.ion()

plotlyは以下。

import plotly.graph_objects as go
import plotly.io as pio
import numpy as np

続いて、横軸として使用するxxpltplotly共通で0から9までの数値を1刻みで作成。縦軸についてはそれぞれのグラフで作成することとする。

x = np.arange(10)

データプロットと凡例

まずはシンプルに1つのプロットに対してグラフを作成する。プロットは2次関数でプロットの凡例は「plot1」とした。ラベルはタイトル、横・縦軸、凡例につけた。

plt

y = x ** 2

plt.figure()  # グラフの枠とかを表示
plt.title('plt1')  # グラフタイトル
plt.xlabel('x')  # 横軸のラベル
plt.ylabel('y')  # 縦軸のラベル
plt.plot(x, y, label='plot1')  # データプロット。labelは凡例名
plt.legend()  # 凡例を表示
plt.savefig('plt1')  # グラフを画像として保存。デフォルトは.png

matplotlibにはpltを使用する方法と。figとかaxを使用する方法があるが今回は簡単なpltで作成する。figとかaxの方が色々とグラフのカスタムができる。

タイトル、横軸ラベル、縦軸ラベルそれぞれはplt.title, plt.xlabel, plt.ylableで指定する。また、プロットはplt.plotで、x, yの順番に横軸、縦軸の値を指定する。そしてプロットの凡例名はlabel引数で指定。今回は文字で凡例を作成したが数値も可能。

凡例を設定したが、このままでは設定しただけで表示することはできない。表示するためにplt.legend()を使用。最後に作成したグラフをplt.savefigで保存する。保存ファイル形式はデフォルトではpngpdfなどにも変換可能。

plotly

plot = []  # プロットデータを入れるためのlistを作成
d = go.Scatter(x=x, y=y, name='plot1')  # nameでプロットの凡例を追加
plot.append(d)  # プロットデータをlistに追加

# グラフのレイアウトをまとめて作成
layout = go.Layout(
    title=dict(text='plotly1'),  # グラフタイトル
    xaxis=dict(title='x'),  # 横軸のラベル
    yaxis=dict(title='y'),  # 縦軸のラベル
    showlegend=True,  # プロットが1本の時は凡例を表示するように指定
)

# 作成したプロットデータとレイアウトデータをまとめる
fig = go.Figure(data=plot, layout=layout)
fig.show()  # グラフの表示

# グラフはHTML(後で動かせる)と画像(ここではpng。デフォルトはなさそう)
pio.write_html(fig, 'plotly1.html')
pio.write_image(fig, 'plotly1.png')

plotlyはグラフ構造が以下の2種類に分かれている。

  • データ部分(プロットとか)
  • レイアウト部分(軸ラベルとか)

ここでは変数plotlistで定義し、これにプロットデータを入れることでデータ部分を作成。レイアウトに関してはlayout変数で直接レイアウトの配列として作成している。

plotlyのベースとなるプロット方法がScatterなのでここでもScatterでグラフを作成している。x, yはそのままで、それぞれ横軸、縦軸の値を示す。nameが凡例に表示されるプロット名。

基本的にplotlyは辞書型なのでdictで設定を指定している。グラフタイトルを示すtitle引数に関しては文言をtextで指定するが、x, y軸を示すxaxis, yaxis引数はtitleで文言を決めることに注意。また、プロットが1本だけの場合は凡例が表示されないので表示するように設定。

 

作成したデータ部分とレイアウト部分をgo.Figureで一つにしてfig.show()でグラフを表示する。表示場所はブラウザが基本かと思っている。なのでグラフ作成時には自動でブラウザが起動する。

plotlyは作成したグラフをHTML方式で保存することも可能なので、pio.write_htmlでHTMLで保存した。また、画像としてpngでも保存。HTMLのグラフは以下。


マーカーと線の種類、線の色を変更

続いてはプロットのマーカー(プロット点のこと)と線の種類、線の色を変更。ここでは丸いマーカー、黒の破線に設定した。

plt

y = x ** 2

plt.figure()
plt.title('plt2')
plt.xlabel('x')
plt.ylabel('y')
plt.plot(
    x, y,
    marker='o',  # 円形のマーカーを追加
    linestyle='--',  # プロットは破線に変更
    color='black',  # プロットの色を黒に変更
    label='plot2'
)
plt.legend()
plt.savefig('plt2')

plt1との変更点はプロット関係なので、plt.plotの引数に以下を追加。

  • marker: マーカー
  • linestyle: 線の種類
  • color: 線の色

マーカーについては丸以外にも四角や三角やバツなどのもある。線の種類も点線や一点鎖線もある。色も赤や緑などもある。

plotly

y = x ** 2

plot = []
# 設定は辞書型で行う
d = go.Scatter(
    x=x, y=y, name='plot2',
    marker=dict(symbol='circle', size=10),  # symbolがマーカーの役割
    line=dict(dash='dash', color='black'),  # 引数dashが線種。'dash'が破線
)
plot.append(d)

layout = go.Layout(
    title=dict(text='plotly2'),
    xaxis=dict(title='x'),
    yaxis=dict(title='y'),
    showlegend=True,
)

fig = go.Figure(data=plot, layout=layout)
fig.show()

pio.write_html(fig, 'plotly2.html')
pio.write_image(fig, 'plotly2.png')

先ほど同様、plotlyは辞書型で設定を変更するのでdictを使用。マーカーと線について大別し、それぞれ以下のように対応。

  • marker: マーカー関係
    • symbol: プロット点。circleは円形
  • line: 線関係
    • dash: 線の種類。dashは破線
    • color: 線の色。blackは黒

基本的にはpltと同じようにさまざまなマーカーや線の種類を使用することが可能だが、指定方法が異なる点もあるので注意。plotlyのマーカーについては以下参照。

自作したplotlyのマーカーのシンボル一覧
【plotly&マーカー】plotlyのマーカーのシンボル

続きを見る


複数のプロットを同時に描画

続いては、1つのグラフに複数のプロットを追加するというもの。同時に描画することで比較しやすくなる。プロットは先ほど同様2次関数を使用し、それぞれ+10ずつしてy方向に平行移動させた。また、プロット作成にはforループを使用した。

forループなど、基礎的なpythonの挙動については以下参照。

【python&初級】のlistとかforとかifとかまとめ

続きを見る

plt

# figureはグラフの枠なので、figureより上でプロットすると別々のグラフになる
plt.figure()
plt.title('plt3')
plt.xlabel('x')
plt.ylabel('y')
for num in range(5):
    y = x ** 2 + (10 * num)
    plt.plot(x, y, label=f"plot{num}")
plt.legend()
plt.savefig('plt3')

複数プロットする際にはplt.figure()をプロットより前に持ってこないとウィンドウが複数個できてしまう。これについては今までのグラフも同様。

複数プロットをすると色は自動で変わり、凡例はデフォルトでは縦に並ぶようになっている。

plotly

plot = []
for num in range(5):
    y = x ** 2 + (10 * num)
    d = go.Scatter(x=x, y=y, name=f"plot{num}",)
    plot.append(d)

layout = go.Layout(
    title=dict(text='plotly3'),
    xaxis=dict(title='x'),
    yaxis=dict(title='y'),
)

fig = go.Figure(data=plot, layout=layout)
fig.show()

pio.write_html(fig, 'plotly3.html')
pio.write_image(fig, 'plotly3.png')

plotlyの場合はデータ部分をまとめる変数plotを用意していたので、plotにデータ部分を入れていくことで複数プロットを実現することが可能。


複数のプロットでマーカーと線の種類を変更

複数プロットをしたグラフを作成したので、マーカーと線の種類を変更して表示してみる。

plt

# 丸、四角、三角、バツ、α
marker = ['o', 's', '^', 'x', r'$alpha$']
# 実線、破線、点線、線なし、一点鎖線
linestyle = ['-', '--', ':', ' ', '-.']

plt.figure()
plt.title('plt4')
plt.xlabel('x')
plt.ylabel('y')
for num in range(len(linestyle)):
    m = marker[num]  # 予めマーカーを変数として新たに定義し見やすく
    ls = linestyle[num]  # 予め線種を変数として新たに定義し見やすく

    y = x ** 2 + (10 * num)
    plt.plot(
        x, y,
        marker=m,
        linestyle=ls,
        label=f"'{m}' ,  '{ls}'",  # 「'マーカー', '線種'」で凡例を作成
    )
plt.legend()
plt.savefig('plt4')

ここで使用するマーカーは丸、四角、三角、×、そしてギリシャ文字のα。αについては$\LaTeX$で書くことで使用することができる。

線の種類に関しては実線、破線、点線、線なし、一点鎖線を使用。なお、線の種類に関しは以下のような対応関係がある。どちらを使用しても良い。

  • -(実線): solid
  • (破線): dashed
  • :(点線): dotted
  • -.(一点鎖線): dashdot

plotly

# 丸、四角、三角、バツ、星みたいなやつ
symbol = ['circle', 'square', 'triangle-up', 'x', 'hexagram']
# 実線、破線、点線、自作一点鎖線、一点鎖線
linestyle = ['solid', 'dash', 'dot', '10px, 20px, 30px, 5px', 'dashdot']

plot = []
for num in range(len(linestyle)):
    sy = symbol[num]  # 予めマーカーを変数として新たに定義し見やすく
    ls = linestyle[num]  # 予め線種を変数として新たに定義し見やすく

    y = x ** 2 + (10 * num)
    d = go.Scatter(
        x=x, y=y,
        name=f"'{sy}' , '{ls}'",  # 「'マーカー', '線種'」で凡例を作成
        marker=dict(symbol=symbol[num], size=10),
        line=dict(dash=linestyle[num]),
    )
    plot.append(d)

layout = go.Layout(
    title=dict(text='plotly4'),
    xaxis=dict(title='x'),
    yaxis=dict(title='y'),
)

fig = go.Figure(data=plot, layout=layout)
fig.show()

pio.write_html(fig, 'plotly4.html')
pio.write_image(fig, 'plotly4.png')

plotlyでは$\LaTeX$でのマーカーを作成できなかったので代わりに星みたいなバッジのようなマーカーhexagramを使用。また、線の種類も線なしが選択できなかったので自作の一点鎖線を使用。この自作の一点鎖線は以下のような法則で線を形作っているはず。

  • 10 pixelだけ実線
  • 20 pixelだけ空白
  • 30 pixelだけ実線
  • 5 pixelだけ空白
  • 上記4項目をループごとに実線・空白を入れ替えながら実行

マーカーについては、今回使用したもの以外にも多くの種類が存在している。一覧にしたものについては以下参照。

自作したplotlyのマーカーのシンボル一覧
【plotly&マーカー】plotlyのマーカーのシンボル

続きを見る


軸の表示範囲の指定とグリッドの追加

パッとグラフを見たときに内容がわかりやすい方が考えることが少なくて済む。ということでここでは軸の表示範囲の指定と横・縦軸にそれぞれ垂直・平行なグリッドを作成する。

plt

y = x ** 2

plt.figure()
plt.title('plt5')
plt.xlabel('x')
plt.ylabel('y')

plt.xlim(-1, 10)  # 横軸の表示範囲
plt.ylim(-10, 100)  # 縦の表示範囲

# グリッドの追加
# axisで横・縦軸どちらに入れるか、colorで色を指定
plt.grid(axis='x', color='red')
plt.grid(axis='y', color='green')

plt.plot(x, y, label='plot1')
plt.legend()
plt.savefig('plt5')

横軸の表示範囲指定についてはplt.xlim((最小値)、(最大値))で指定する。また、グリッドについてはplt.gridで作成し、axisで軸を選択することが可能。

上のコードでは横軸・縦軸バラバラで設定しているがaxis='both'にすると両方の設定を同時に可能。ただし、この場合はバラバラに設定していないので、横・縦軸ともに同じ内容が設定される。

plotly

y = x ** 2

plot = []
d = go.Scatter(x=x, y=y, name='plot1')
plot.append(d)

# plotlyはグリッドが初めから入っているので色だけ変更
layout = go.Layout(
    title=dict(text='plotly5'),
    xaxis=dict(
        title='x',
        range=(-1, 10),  # 横軸の範囲
        gridcolor='red',  # グリッドの色をredに
    ),
    yaxis=dict(
        title='y',
        range=(-10, 100),  # 縦軸の範囲
        gridcolor='green',  # グリッドの色をgreenに
        zeroline=False  # デフォルトでは0で白の線画入っている削除
    ),
    showlegend=True,
)

fig = go.Figure(data=plot, layout=layout)
fig.show()

pio.write_html(fig, 'plotly5.html')
pio.write_image(fig, 'plotly5.png')

plotlyでは表示範囲だけではなく、グリッドに関してもxaxis, yaxisでそれぞれ設定する必要がある。表示範囲はrange引数で行う。一方でグリッドに関してはデフォルトで入っているので、ここではgridcolor引数でグリッドの色の変更のみを行った。

ここでの注意点はplotlyはデフォルトでは横・縦軸それぞれの0の値に白の線が入っているという点。これはグリッドの設定では変更できず、別途zeroline引数での設定が必要になる。ここでは縦軸に対してのみzerolineFalseにして0の線を消している。


フォント自体とフォントサイズの変更

これまでに上で作成したグラフは自分のPC上で表示する分には特に問題がないように思われる。しかしスライドなどで他者に見せるときには文字の大きさに気をつけなければならない。

他者に見せるということは自分主体ではなく相手主体。すなわち見やすさがとても重要。ということでここではフォントとそのサイズを変更してみる。

plt

# 凡例のフォントを変更するためにモジュールをimport
import matplotlib.font_manager as font_manager
y = x ** 2

# フォントはfont引数で指定可能
# フォントサイズは各項目でfontsize引数で指定可能
# 先にフォントを指定しないとフォントサイズの変更が反映されない
plt.figure()
# タイトルはフォントサイズの変更が反映されていない
plt.title('plt6', fontsize=100, font='Times New Roman')
plt.xlabel('x', font='sans serif', fontsize=40)
plt.ylabel('y', font='Arial', fontsize=20)
plt.xticks(font='sans serif', fontsize=10)  # 横軸の目盛の設定
plt.yticks(font='Arial', fontsize=20)  # 縦軸の目盛の設定

plt.plot(x, y, label='plot1')

# 凡例のフォントサイズだけなら直接指定可能
# フォントをいじるならprop引数の中で指定しないとフォントサイズの変更が反映されない
# fontは凡例のフォントの情報を入れる配列
font = font_manager.FontProperties(
    family='Comic Sans MS',
    size=30
)
# plt.legend(fontsize=40)  # フォントサイズの変更だけならこれでOK
plt.legend(prop=font)
plt.savefig('plt6')

フォント自体はfont引数でフォントの名称を設定可能。フォントサイズはfontsize引数で可能。ここでの注意点はfont引数よりもfontsize引数を先に書かないと反映されないということ。上の例ではタイトルのフォントサイズを驚異の100に設定したが反映されていない。それ以外の軸ラベルと目盛、凡例については反映されている。

また、フォントサイズが大きすぎるとグラフからはみ出てしまうので注意が必要。

凡例についてはこれらとは設定方法が異なり、フォントサイズの変更だけならそのままfontsize=30のように書けばいいが、フォント自体も変更するなら別途font_managerモジュールが必要になる。

font_manager.FontPropertiesでフォント自体とフォントサイズを設定することができるが、フォントについてはfamily引数として指定しないといけないのでここも注意。

plotly

y = x ** 2

plot = []  # プロットデータを入れるためのlistを作成
d = go.Scatter(
    x=x, y=y, name='plot1',
    # ホバー時のフォントについて各プロットで指定するならここに書く
    # hoverlabel=dict(font=dict(family='Times New Roman', size=30)),
)
plot.append(d)

layout = go.Layout(
    title=dict(
        text='plotly6',
        font=dict(size=100, family='Times New Roman'),

    ),
    xaxis=dict(
        title=dict(
            text='x',
            font=dict(size=40, family='sans-serif')
        ),
        tickfont=dict(family='Times New Roman', size=40),
    ),
    yaxis=dict(
        title=dict(
            text='y',
            font=dict(size=20, family='Arial')
        ),
        tickfont=dict(family='sans-serif', size=20),
    ),
    showlegend=True,
    legend=dict(font=dict(family='Comic-Sans-MS', size=30)),
    # 全プロットのホバーのフォント系の一括変更はレイアウトで指定
    hoverlabel=dict(
        font=dict(family='cursive', size=30)
    ),
)

fig = go.Figure(data=plot, layout=layout)
fig.show()

pio.write_html(fig, 'plotly6.html')
pio.write_image(fig, 'plotly6.png')

フォント自体とフォントサイズの変更に関してはpltの時と同様に設定可能。ただ、dict形式になっているので見づらくはなっている。plotlyの場合もフォントが大きすぎるとグラフからはみ出てしまうが、フォント自体とフォントサイズの順番は気にしなくてもいい。凡例のフォントについてはレイアウトのlegend引数で行うことが可能。

これまでのplotlyのプロットのHTMLに触れた人はわかるかもしれないが、plotlyではプロット点付近にカーソルを持っていくと自動でその情報が出てくるようになる。このフォントなども変更可能。

それぞれのプロットでホバーの設定を変更する場合はScatterの中に書くが、統一する場合はレイアウトの中に書くことで統一的に記述することが可能。実はこれ知らなかった。毎回Scatterの中に書いてた。マジか。


テンプレート(デフォルト)の使用

実は上記のグラフでもまだまだキレイにできる部分はある。例えば以下。

  • 目盛は内向き
  • 右、上にも目盛を振る
  • 全フォントはTimes New Roman
  • グラフ背景は無色透明

これらも加えてグラフを書くとなると相当の行が必要になる。ということでテンプレート(デフォルト)を作成することで自動で設定がキレイになるようにする。

plt

# テンプレートは辞書型にしておくと対応関係と使いやすさでおすすめ
change_dct = {
    'font.size': 20,
    'font.family': 'Times New Roman',
    'mathtext.fontset': 'stix',
    "figure.figsize": [16, 8],
    'figure.facecolor': (0, 0, 0, 0),
    'axes.facecolor': (0, 0, 0, 0),
    'xtick.direction': 'in',
    'ytick.direction': 'in',
    "xtick.top": True,
    "ytick.right": True,
    'xtick.minor.visible': True,
    'ytick.minor.visible': True,
    'legend.edgecolor': 'black',
    'legend.facecolor': 'w',
}

# テンプレートをループで回しながら今のテンプレートに上書き
for key, value in change_dct.items():
    plt.rcParams[key] = value

y = x ** 2

plt.figure()
plt.title('plt7')
plt.xlabel('x')
plt.ylabel('y')
plt.plot(x, y, label='plot1')
plt.legend()
plt.savefig('plt7')

pltの場合はplt.rcParamsに出力時点での設定一覧を表示することが可能。plt.rcParamsは辞書型なので、変更したいテンプレートを予め辞書型で作成しておくとわかりやすい。作成したテンプレート辞書をループで回しながら既存のテンプレートに上書きすることで、上書き後のグラフは全てテンプレートのグラフの設定となる。

注意点は一回テンプレートを上書きしてしまうとそれ以降はその情報が保持されるということ。戻したかったら再度上書きするか、ipythonを抜けるとかしてpython環境をexitしないといけない。

pltのテンプレートについて詳しいことは以下参照。

plt.rcParamsでデフォルトを変更した後のグラフ
【pltテンプレート】matplotlib.pyplotのグラフ作成テンプレート

続きを見る

change_dctのそれぞれの引数については以下。なお。(0, 0, 0, 0)(Red, Green, Blue. alpha)を表しており、Red, Green, Blue0なら黒、1なら白、そしてalpha0なら透明となる。

ちなみにグラフ・プロットの設定はplt1と同じなので、テンプレートをいじるだけで随分と様変わりしていることがわかる。

plotly

# テンプレートはgo.Layoutと同じ形式で書く
layout_template = dict(
    layout=go.Layout(
        width=1280 * 1.3, height=720 * 1.3,
        title=dict(
            x=0., y=0.99, xanchor='left', yanchor='top',
            xref='paper', yref='container',
        ),
        xaxis=dict(
            ticks='inside', zeroline=False, linewidth=1,
            showline=True, linecolor='black', mirror='allticks',
        ),
        yaxis=dict(
            ticks='inside', zeroline=False, linewidth=1,
            showline=True, linecolor='black', mirror='allticks',
        ),
        yaxis2=dict(
            gridcolor='#d5d5d5',
            ticks='inside', zeroline=False, linewidth=1,
            showline=True, linecolor='black', mirror=False,
            overlaying='y', side='right',
        ),
        font=dict(family='Times New Roman', color='black', size=25),
        paper_bgcolor='rgba(0,0,0,0)', plot_bgcolor='rgba(0,0,0,0)',
        legend=dict(
            x=1, y=1, orientation='v',
            xanchor='left', yanchor='top',
            itemclick='toggleothers', itemdoubleclick='toggle',
            bgcolor='rgba(0,0,0,0)', bordercolor='black', borderwidth=1,
        ),
        hovermode='closest',
        showlegend=True,
        hoverdistance=30,
    )
)

y = x ** 2

plot = []
d = go.Scatter(x=x, y=y, name='plot1')
plot.append(d)

layout = go.Layout(
    template=layout_template,  # テンプレートの読み込み
    title=dict(text='plotly7'),
    xaxis=dict(title='x'),
    yaxis=dict(title='y'),
    showlegend=True,
)

fig = go.Figure(data=plot, layout=layout)
fig.show()

pio.write_html(fig, 'plotly7.html')
pio.write_image(fig, 'plotly7.png')

plotlyの場合は通常のレイアウトと同じ書き方でテンプレートを作成することができる。項目が多いので省略しながら以下に設定の軽い説明をする。

plotlyのテンプレートについて詳しいことは以下参照。

テンプレート適用後のplotlyでのグラフ
【plotlyテンプレート】plotlyのグラフ作成テンプレート

続きを見る

【随時更新 備忘録】plotlyのグラフ即席作成コード

続きを見る

plotlypltと同様、plotly1のグラフを使用しているが、かなり見た目が変わっていることがわかる。ちなみにplotlyではconfigという設定も可能。configについては以下参照。

【plotly&config】グラフのツールバーを編集する

続きを見る


手札をたくさん持て

今回はpltplotlyのグラフを比較した。plotlyの方が文章量的には多いけど、その分できることが多い。何ができるかは色々と記事を書いているので、本ブログ「M天パ」なりご自身で調べるなりしていただければ幸いだ。

pltしか使えない状態よりも確実にplotlyまで使えた方が武器にある。自分に合ったもの、その時々に合ったものを選択できる自由があるということはより最適な成果物を創ることができるということ。

執筆者自身、まだまだ知らないことが多いのでこれからも手札をたくさん持てるようにする。

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今回はMacに標準でインストールされているアプリ「Automator」を使ってできる ...

Pythonを学びたいけど独学できる時間なんてない人へのすゝめ

執筆者は大学の研究室・大学院にて独学でPythonを習得した。

でも社会人になったら独学で行うには時間も体力もなくて大変だ。

時間がない社会人だからこそプロの教えを乞うのが効率的。

ここでは色んなタイプに合ったプログラミングスクールの紹介をする。

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メガネ

Webエンジニア駆け出し。独学のPythonで天文学系の大学院を修了。常時金欠のガジェット好きでM2 Pro MacBook Pro(30万円) x Galaxy S22 Ultra(17万円)使いの狂人。自己紹介と半生→変わって楽しいの繰り返しレビュー依頼など→お問い合わせ運営者情報、TwitterX@m_ten_pa、 YouTube@megatenpa、 Threads@megatenpa

-Pythonでの比較
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