今回はLeica監修のカメラを搭載したXiaomi 14 Ultraをレビューする。Xiaomiのガチのフラグシップはこれまで日本では発売されなかったが、2024年のXiaomi 14 Ultraはとうとう日本で正式に発売、フォトグラフィーキットが無料で付いてくるという大盤振る舞いだった。
執筆者も購入して写真撮影に目覚めてしまったので、この記事ではXiaomi 14 Ultraのベンチマークスコアや外観や充電速度、カメラ性能などをレビューしつつ、カメラ作例も紹介する。
なお、Xiaomi 14 Ultraについては下記のYouTube動画もあるので合わせてご覧いただきたい。
Xiaomi 14 Ultraと他のフラグシップスマホのスペック
Xiaomi 14 Ultraの各種ベンチマークスコア
Xiaomi 14 Ultraは2024年前半では世界最強のSoCのSnapdragon 8 Gen 3採用、ベンチマークスコアだけでなく実生活でもスペック不足による動作の遅さは感じない。
まあ、一般人にとってこのスペックは不要っちゃ不要だが、スペックが高いということは天井が高いということ。経年劣化しても快適に使える余地が広いという点では高いに越したことはない。
Antutuスコアは192万点前後だが熱に弱め
開封した翌朝にAntutuベンチマークを3回連続で実行した結果が上の通り。200万点の大台に乗ってさすがハイエンドというベンチマーク結果。
ただ、開封して数週間後に再度3回連続で計測した結果が以下で、1回目でギリギリ200万点を超えたものの2回目の測定で52℃まで温度が上昇、3回目の測定で温度が高すぎて強制終了してしまった。
普段カメラを使用してもそこまで温度上昇を感じることはないが、この時は一瞬で温度が高くなってしまった。測定開始が29℃くらいで高く室温は25℃で少し暖かいくらいだったので、これからの夏本番が心配な結果となった。
Geekbenchスコアも桁違い
Geekbench 6でもベンチマークを測定した結果が上の通り。そして他のデバイスとの比較が以下の通りだ。基本的には世界最高峰の性能ということでGalaxy S24 Ultraと同じくらいのスコア。
Galaxy S24 UltraはXiaomi 14 Ultraと同じSoCのSnapdragon 8 Gen 3搭載だが、Galaxy専用のチューニングがされていることでGalaxy S24 Ultraのレビュー記事での測定結果ではXiaomi 14 Ultraよりも高スコアだった。
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【Galaxy S24 Ultraレビュー】フラット・チタニウム・AI搭載の新時代のスマホ
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ヴィーガンレザーと圧倒的カメラデザイン
Xiaomi 14 UltraはXiaomiの最上位機種ということもあり、デザインや材質などは一級品。中華スマホらしいバカでかいカメラにリッチなヴィーガンレザーなど、日本ではなかなか見られないデザインが特徴的だ。
箱は高級感、充電器は最強
外箱はブラックを基調に白文字でXiaomi 14 Ultraと刻みつつ、Leicaのアイコンをあしらった高級感のあるデザイン。ごちゃごちゃせずシンプルなのが素晴らしい。
同梱物は以下。さすが中華スマホ、スマホケースに充電器に保護フィルム(貼り付け済み)まで付属する。サステナブルガン無視スタイル。
- Xiaomi 14 Ultra本体
- 90Wハイパーチャージ充電器
- ハイパーチャージ対応のUSB Type-A to Type-Cケーブル
- プラスチックケース
- SIMピン
- クイックスタートガイド
また、今回は国内版を購入しレビューするが、国内版の購入でフォトグラフィーきっと(Photography Kit)が付属した。詳しくは後に紹介するが、Xiaomi 14 Ultraを手に入れたら併せてゲットしておきたいキットだ。
Xiaomi 14 Ultraを購入する人は漏れなくフォトグラフィーキットも入手するだろうが、一応Xiaomi 14 Ultra単体でもケースが付属するし初期フィルムも貼られているのでそのまま使い始めることは可能。
ただし、付属のケースはマジでプラスチック感マシマシで安っぽさ全開なので、あくまでもサードパーティ製のケースまでのつなぎもしくはフォトグラフィーキットのケースを使うのがおすすめ。
また、こちらも後述するが、90W最速で充電するなら充電器も専用のものを使用することになりそう。
GalaxyのようにPPSなどの規格に対応しておけば他ポートタイプなどのサードパーティ製を使いやすいが、Xiaomiはほぼ専用の1ポート充電器と充電ケーブルを使うことになりそう。
ヴィーガンレザーとアルミフレームの筐体は高級感満載
Xiaomi 14 Ultra本体には「次世代のXiaomiナノテクノロジーヴィーガンレザー」を採用、一般的なガラス製やプラスチック製のスマホ背面とは一線を画すデザインだ。
背面の左下にはXiaomiという文字が刻まれており、キラッと光る感じが良いアクセントだ。
背面は基本的にヴィーガンレザー採用だが、エッジ部分は側面と一体型のアルミニウムフレームを採用。側面と繋がっているのでこれもまた独特なデザインを醸している。
側面のアルミフレームのつながりは顕著なものの、上下はある程度シームレスに繋いでいるので、縦画面での普段使いだと側面が柔らかく触れつつ、横持ちした時はエッジが手のひらに引っかかってずれないようにしているのだろう。多分。
最近は中華スマホを中心にヴィーガンレザーを採用しているし、Galaxy S24 Ultraのように金属フレームを採用しているケースが増えている。相反するイメージの両素材をいい感じに混ぜ込んだ秀逸なデザインだ。
圧倒的プレミアムなカメラデザイン
Xiaomi 14 Ultraの醍醐味とも言えるカメラデザインは圧倒的なサイズ感かつプレミアム感がある。一応、vivoやOPPOのフラグシップスマホも円形カメラを採用しているが、日本での手に入れやすさはXiaomi 14 Ultraが抜きん出ている。
Xiaomi 14 Ultraは以下の4眼構成でまさにフラグシップという名に相応しいようなカメラスペック。
- 50MP超広角(f1.8, 1/2.51型, 12mm)
- 50MP広角(f1.63-f4.0無段階可変絞り, 1.02型, 23mm)
- 50MP光学3.2倍望遠(f1.8, 1/2.51型, 75mm)
- 50MP光学5倍望遠(f2.5, 1/2.51型, 120mm)
カメラ部分の中央には「LEICA」の文字が刻まれていてより高級感を醸し出している。
写真の作例はこの記事の後半で紹介するし、動画も含めYouTubeのレビュー動画でも紹介しているのでそちらも見てほしい。
カメラ部分の周囲はゴールドにあしらわれており、細部までこだわり抜いた高級感を感じられる。
しかし、後述のフォトグラフィーキットのケースを装着するとこのゴールドが隠れるので注意。ケースを脱いでありのままのXiaomi 14 Ultraを見た人の特権だ。
カメラ部分の厚みは10円玉4枚分くらいあってゴツすぎる。10円玉は1枚で1.5mmなのでXiaomi 14 Ultraのカメラ部分の厚みは6.0mmもあることになる。
同じくフラグシップのGalaxy S24 Ultraと比べてもカメラ部分の分厚さの違いは顕著。マジでカメラに命を賭けているスマホだ。
まあフォトグラフィーキットのケースを装着するとカメラ部分のゴツさが逆にハイセンスに感じるので、使ってみた感じは全く気にならなかった。
インターフェースは普通のAndroidスマホ
Xiaomi 14 Ultraのインターフェースは普通の一般的なAndroidスマホと遜色ない。ディスプレイの四隅がエッジデザインなのでベゼルは非常に細く視認性が高い。インカメラはパンチホールを採用、カメラの性能を落とすことなくディスプレイを広く使える。
ディスプレイから見て右側面には音量ボタンと電源ボタンを搭載、
左側面には何もなく他のAndroidスマホと同じようにボタン類は右側に集約されている。
筐体の上側にはスピーカー穴を搭載、
下側にはスピーカー穴とUSB Type-C端子とマイク穴、そしてSIMスロットを搭載。
Xiaomi 14 UltraはnanoSIM×2のデュアルSIMに対応しているがmicroSDには非対応。写真を撮りまくって容量がパンパンになった時はSSDやクラウドに逃すしかない。
インターフェースに関しては普通なので特筆するところはないが、XiaomiスマホにあるIRブラスターはXiaomi 14 Ultraでは筐体の上部からカメラユニットに移動したらしい。
昔はIRブラスターでスマート家電を動かしていたが、スペックの高いAndroidにすれば指紋認証→SwitchBotアプリ起動→家電動かすという動作が一瞬でできるので、XiaomiスマホのIRブラスターは使わなくなった。
重量は220gオーバーで重い
Xiaomi 14 Ultraの重量は初期フィルムとSIMカード1枚を入れた状態で223gで重量級。上部のカメラの方に重心が偏っていて常に少し支える必要があるので余計に重たく感じる。
後述のフォトグラフィーキットのケースとカメラグリップを装着すると320gオーバーの超重量級に。フラグシップスマホかつカメラ性能も高くバッテリー容量もそこそこ入っているので仕方ないがさすがに重い。
ただ、カメラグリップとグリップにネックストラップを装着すればそこまで重量を感じないので、写真用としてXiaomi 14 Ultraを使うならネックストラップがおすすめ。
初期フィルムは貼り付け済み
Xiaomi 14 Ultraは中華スマホらしく初期フィルムが貼り付け済み。iPhoneをはじめ最近のAndroidスマホはフィルムを自分で用意しないといけないのでXiaomi 14 Ultraの仕様はありがたい。
ただ、使い始めからずっとネックストラップで使用しているせいか、すでにフィルムに幾つかの傷がついてしまった。
より強固にディスプレイを守りたい人は別途ガラスフィルムなどを購入するのが良さそう。
フォトグラフィーキットは絶対に必要
Xiaomi 14 Ultraの最大の魅力はそのカメラ性能だが、このカメラをさらに使いやすくするのがフォトグラフィーキット(Photography Kit)。
本来は2万円くらいする超高級なセットだが国内版Xiaomi 14 Ultraの先行購入者はこのフォトグラフィーキットが無料でついてくるという超太っ腹仕様だった。
内容物は以下の通りで豪華すぎる。開封シーンはYouTubeから視聴できる。
- レザー調ケース
- 1500mAhバッテリー搭載カメラグリップ
- 67mmフィルターアダプターリング
- デコレーションリング×2
- ハンドストラップ
- カメラグリップとリングのユーザーマニュアル
これだけのアイテムを無料でつけてくるのにXiaomi 14 Ultra自体の価格は20万円で抑えている辺り、Xiaomiの本気度がわかる。
リング付け替え可能なおしゃれケース付属
ケースはレザー調らしいが触った感じは布っぽい質感で高級感あり。
しかし、側面のグレー部分が金属だと思っていたが、実際は少しラバーっぽい引っ掛かりがある普通のプラスチック感のある材質で安っぽかったのが残念。まあしばらく使っていると慣れてくるので問題ではないが。
ケースは底面が大きく開いた仕様なので傷などには注意が必要だ。
またケースの左下は穴が空いており、Xiaomi 14 Ultra本体のXiaomiロゴが見える仕様かつ、後ほど紹介するカメラグリップのストッパーが引っ掛かるようの穴となっている。
このケースのカメラ部分には3種類のリングを取り付け可能。執筆者はシルバーのリングにしているが、
アクセントとしてオレンジを選ぶのもありだし
67mm口径対応のリングも付属しており、このリングを使えば通常のカメラ用のレンズカバーやNDフィルターを取り付け可能。もうカメラじゃん。
元々Xiaomi 14 Ultraに付属していたケースがイマイチだったのでPhotography Kitを手に入れた人はぜひこのケースを使ってほしい。
まあPhotography Kitを購入したんなら次で紹介するカメラグリップは使用するだろうからこのケースを使うのも自然な流れだが。
カメラグリップは使い勝手最強
そしてPhotography Kitの中でメインかつ最強なのがカメラグリップ。これがないとXiaomi 14 Ultraは語れないレベルで重要。
質感はケースと同じで布っぽい質感のレザー調で側面にはケースと同様にグレーの配色。
カメラグリップのおもて面にはXiaomiのロゴがキラッと光る仕様。
ロゴを正位置として下部にはUSB Type-C端子と充電ランプ、そしてストラップホールを搭載。
執筆者はストラップホールに丸カンと二重カンを組み合わせて装着しており、これに3COINSのネックストラップをつけて首から下げている。
左側面にはXiaomi 14 Ultraに取り付けて固定するためにストッパーのボタンを搭載。
このストッパーをオンにすると先述のケースの穴にストッパーが引っかかってXiaomi 14 Ultraとカメラグリップが固定される。
裏面はスエードのような質感でXiaomi 14 Ultraとケースに傷がつきづらいようになっている。また、ここにもXiaomiのロゴが刻まれている。
Xiaomi 14 UltraとカメラグリップはUSB Type-C端子で接続して充電などが可能だ。
Xiaomi 14 UltraのUSB Type-Cをそのまま使用するので、普段からマグネット端子を使っている執筆者はカメラグリップを常時装着しつつ、カメラグリップにマグネット端子を取り付けて充電に手間をなくしている。
カメラグリップの上部にはカメラを思わせるようなボタンやダイヤルを搭載。
- 2段シャッター
- ズームレバー
- 録画ボタン
- カスタムダイヤル
これらの各種ボタンやダイヤルとカメラグリップの材質・形状が相まって最強のカメラスマホが爆誕する。
例えば画面がオフの状態からシャッターボタンを長押しすればすぐにカメラが起動し
ズームレバーを一回ひねると0.6倍、1倍、2倍、3.2倍、5倍、10倍、30倍、60倍、120倍と段階的にズーム可能で
ダイヤルでEVを段階的に切り替えて暗め/明るめの画像を一瞬で作成できるし
録画ボタンを押せば写真モードでもその場で動画を撮影可能。
もちろん各種ボタンは自分好みに設定可能、例えばズームレバーは0.1倍ずつの段階式にもできる。
これらのギミックをただのスマホでできるのはマジ快適。これまでGalaxy S24 UltraやiPhone 15 Proなどのカメラが強いスマホを使ってきたものの、写真をろくに撮ってこなかった執筆者が写真を撮りまくっている始末。
プライベートな写真も含めて多分もう400枚くらいは撮影している。これまで写真なんてろくに撮ってこなかったのに。
さらに写真初心者の執筆者もカメラグリップを握って適当に望遠にしてピントを合わせるだけでこんな感じのマジで良い感じの画像を一瞬で撮影可能。神すぎる。
普通の手持ちでも良い写真は撮影できるだろうが、Photography Kitのカメラグリップがないとそう簡単には撮影できなかっただろう。
Xiaomi 14 Ultraを購入予定の人はぜひともPhotography Kitをフル活用してほしい。
90Wハイパーチャージで爆速充電できるが
Xiaomi 14 UltraはXiaomiハイパーチャージに対応、最速で90Wの出力で充電できる。しかし、適当な100W対応充電器ではハイパーチャージできず、Xiaomi専用の充電器が必要になるのがネックポイント。
というのもGalaxyスマホの場合はPPS対応の充電器で最速45W充電できるので、Galaxy純正充電器じゃなくCIOの充電器でも最速充電可能だから。
サードパーティ製の充電器が使えると2ポートタイプやプラグ折りたたみ式など選択肢が増える一方で、Xiaomiハイパーチャージ充電器はプラグが折りたためないしUSB Type-Aの1 ポートで使いづらい。
なのでXiaomi 14 Ultraを最速90W充電したい人はXiaomiスマホ専用の充電ステーションを構築するのがおすすめだ。
実際にXiaomi 14 Ultraのバッテリー残量20%の状態で90Wハイパーチャージした時の様子が以下。
11:35に20%から充電スタートだいたい15分経過の11:50の時点で70%近く充電でき35分でフルチャージ。常時オンディスプレイをつけた状態でこれなので、まさに神ジューデン。これまで20W30Wで早いと思っていた自分がバカらしくなる。
また、カメラグリップ経由でハイパーチャージも可能なので、常にカメラグリップを装着しているユーザーも安心して爆速充電できる。
一応、PPSには対応しているらしく実際にCIOのPPS対応の65W充電器に接続したらMAX 27W前後の出力で、吉田製作所さんのポストと一致した。
シャオミの高速充電は、クイックチャージ対応かつ対応ケーブルなら、専用充電器じゃなくても100W充電できるんだね
そんなの普通じゃなさ過ぎて持ってないが
普通のUSB-PDだと18Wまで、PPS対応で27Wらしいです
— 吉田(LINEもTikTokも非対応。偽物です) (@netatank) June 1, 2024
27WだとiPhone 15 Pro Maxと同じくらいだが、最大で90W充電できるということを考えると遅く感じる。
生体認証は画面内指紋認証と顔認証に対応
Xiaomi 14 Ultraは光学式の画面内指紋認証と2Dの顔認証に対応、どちらもかなり爆速で認証されるのでストレスフリーだ。
ただ、Xiaomiのフラグシップスマホなので指紋認証は光学式ではなく超音波式にしてほしかったってのが正直な感想。
光学式だと光るので指紋認証の位置がわかりやすいというメリットはあるものの、Galaxyスマホの超音波式に慣れてしまうと、そのスマートさに勝てていない感じが否めない。
かといってXiaomi 14 Ultraの光学式が使いづらいわけではないし、むしろ自分の指の相性的にXiaomi 14 Ultraの方が爆速なので問題なし。
MIUIを受け継ぎしHyperOSを搭載
Xiaomi 14 UltraはかつてのXiaomiスマホに搭載していたMIUIの後継OSのXiaomi HyperOSを搭載。MIUI経験者からするとそこまで大きく変わった感じはないが、少し変更点がある印象。
ここでは全体的な使い勝手の点に触れておく。GalaxyのOne UIにどっぷり浸かっている執筆者からするとHyperOSは絶妙に使いづらい印象だ。
コントロールセンターの左右スプリットは変更不可
個人的に一番惜しいのがコントロールセンターの表示方法が選べなくなった点。かつてのMIUIでは
- 他のAndroid系のOS方式:通知→(さらに下にスワイプ)→コントロールセンター
- iPhone方式:左上から下スワイプで通知、右上から下スワイプでコントロールセンター
の2種類から選択できた。しかし、HyperOSでは後者のiPhone方式しか選べない。これが個人的にとても使いづらいのでMIUI同様、選択式にしてほしいところ。下記はMIUIのコントロールセンターの設定。
Xiaomi 14 Ultraはディスプレイサイズが大きいので通知を見る際には頑張って画面の左端まで指を持っていかないといけない。一方、通常のAndroid方式なら画面上部ならどこからでも通知まで辿り着けるからシンプル。
一応、右上からコントロールセンターを開いて右にスワイプすれば通知に移動できるが、個人的に他のAndroidとは挙動が異なるので好きじゃない(慣れない)。
iPhoneからの移行ならHyperOSのこの仕様は自然だろうが、他のAndroidから移行する人は注意してほしい。
全体的にアニメーションが強め
また、Xiaomi HyperOSは全体的にアニメーションが強めでオフにしづらい印象。一応、アニメーションを無効化する設定がありある程度は無効にできるが、それでも全体的にヌルヌルは消えない。
GalaxyのOne UIはアニメーションをオフにするとほとんどのアニメーションが消えてサクサク動作するので、One UIと比較するとヌルヌルな印象だ。
ただ、ヌルヌル動いた方が好きって人は何をしてもヌルヌルなので使い勝手としては良好だろう。
TwitterXで画面分割するとバグる
大きな問題ではないがXiaomi 14 Ultraのサイドバー機能で直接TwitterXを画面分割するとTwitterXが起動せずフリーズして画面分割がバグる。
サイドバーからポップアップウィンドウでTwitterXを開き、ポップアップウィンドウの機能で画面分割するとバグらないから画面分割自体は可能。しかしバグるのはいただけない。
まあ最近はTwitterXは暴れ散らかしているのでその影響かもしれないが、粗が目立った瞬間だ。
かゆいところに絶妙に届かない
その他、クイックボールに画面収録や通知の表示という基礎的な項目がなかったり、カメラグリップの充電設定がいつの間にかデフォルトに戻されるなど、絶妙にかゆいところに手が届かない感じが否めない。
HyperOS自体はスタートしてまだ日が浅いから仕方ないが、GalaxyのOne UIという最強にカスタムしやすいOS/UIと比較してしまうと「これもできないのか」となるので注意。
写真はどう撮影しても美しい
ということでXiaomi 14 Ultraの実際に写真作例を紹介する。個人的にはXiaomi 14 Ultraは風景を撮影してもキレイだが、花や動物、人物を撮影するのに向いているように感じる。
今回はSamsungの同時期のスマホ「Galaxy S24 Ultra」と比較するんだが、昼間の撮影時にはYouTube用に16:9にしたのを戻し忘れていたので、Galaxy S24 Ultraは16:9、Xiaomi 14 Ultra4:3で比較する。夜景は戻した。
昼間の写真はAIでバリバリ補正
まずは超広角カメラ同士の比較から。0.5倍のXiaomi 14 Ultraは青い空と水色の空のグラデーションがキレイに撮影できている。0.6倍のGalaxy S24 Ultraは今回はかなりビビッドに撮影できてこれまでのGalaxyらしい色合いに。
広角の1倍だとGalaxy S24 Ultraが全体的に暖色寄りに仕上がった一方でXiaomi 14 Ultraは少しビビッドな青寄りでキレイに撮影できた。
解像度的にはXiaomi 14 Ultraの方が残っているが、フラグシップ機だとマジマジとみない限りは気づかない。
2倍ズームも同じくGalaxy S24 Ultraが暖色寄りに撮影した一方でXiaomi 14 Ultraは感触よりで好み。また、中央のホテルの上部になるホテル名が、Galaxy S24 Ultraでは潰れているのに対しXiaomi 14 Ultraは読めるくらい残っているのは素晴らしい。ただし、16:9で撮影してしまったからかもしれないが。
Xiaomi 14 Ultraを光学ズーム3.2倍、Galaxy S24 Ultraを光学ズーム3倍にして比較すると、建物のディティールはXiaomi 14 Ultraの方がキレイに残っている一方で、Galaxy S24 Ultraの方がコントラストが高めで明暗さがハッキリ出ている。
より自然な風合いなのはXiaomi 14 Ultraだがパッと見の印象はGalaxy S24 Ultraの方がよく見える。
両者ともに光学5倍ズームだとXiaomi 14 Ultraの方が建物のディティールが若干潰れているような気もしなくもないが、Galaxy S24 Ultraとそこまで大差なし。
だが、河川敷の草々のリアル感はXiaomi 14 Ultraの方がある感じ。木々だとビビッドの方が良い感じが出るが、草だとやりすぎてる感が出るのは気のせいか。
デジタル10倍ズームではXiaomi 14 Ultraの方が建物のジャギジャギ感が抑えられてるが、やけにパキッとした感じが出ているのでAIでかなり補正しているのだろう。
Galaxy S24 Ultraはちょっとボヤけているが、10倍ズームでここまでキレイに撮影できたら良いだろう。
デジタル30倍ではXiaomi 14 Ultraがかなりファンタジーみたいにふわっとした補正がかかる一方でGalaxy S24 Ultraはジャギジャギしながらもハッキリ撮影するスタイル。
鉄塔?の左に見えるレストランのシェフの姿はXiaomi 14 Ultraでは人のリアル感がわかる一方でGalaxy S24 Ultraはパキッとはっきりと人がわかる感じ。ここから一気にテイストが変わってくる。
Xiaomi 14 Ultraがカメラアプリから瞬時に切り替え可能なデジタル60倍で比較すると、Xiaomi 14 UltraはAIで境界線を強調して不自然でもはっきり撮影しようとしているのに対し、Galaxy S24 Ultraはボケてでも自然に撮影しようとしている。
パッと見の印象はXiaomi 14 Ultraの方が良いが、塗りつぶし感が出てやりすぎているような印象もある。
最後はXiaomi 14 Ultraの最大倍率のデジタル120倍とGalaxy S24 Ultraの最大倍率の100倍を比較する。さすがにこの倍率だとキレイな写真は撮影できないが、両者ともにある程度キレイには撮影できている。
傾向は60倍の時と同じでXiaomi 14 Ultraは不自然でもパキッとした写真を撮影、Galaxy S24 Ultraは全体的にディティールをなくしてでも不自然にならないように撮影している。
どちらが良い悪いというわけではないが、Xiaomi 14 Ultraは全体的にバリバリAIで補正してはっきり撮影しようとしているのがわかる。
夜景は明るく撮影しすぎ
続いては夜景を比較する。夜景撮影時にはXiaomi 14 Ultra、Galaxy S24 Ultraともに4:3の比率で撮影した。
超広角では両機種ともに手持ち撮影だと手ブレしやすい印象。Xiaomi 14 Ultraは暖色寄りでGalaxy S24 Ultraは寒色寄り。
広角の1倍も色味は同じ傾向でXiaomi 14 Ultraは暖色寄りでGalaxy S24 Ultraは寒色寄り。ただ、Xiaomi 14 Ultraは全体的に明るく撮影しようとして建物の中の照明が白飛びしてたり、光の水の反射も強めに出る印象。
よりビビッドで派手なのがXiaomi 14 Ultraで、落ち着いた印象かつちょっと暗めなのがGalaxy S24 Ultra。
2倍ズームも同じでXiaomi 14 Ultraの方が暖色寄りでビビッドで明るめで映える写真を撮影可能。Galaxy S24 Ultraは寒色寄りで落ち着いた印象の写真に仕上がる。Xiaomi 14 Ultraの方が歓楽街を撮影するのは向いてそうだが、適当に撮影するとヒ光量が多い部分が明るくなりすぎるので撮影後のチェックは必須だ。
Xiaomi 14 Ultraが3.2倍、Galaxy S24 Ultraが3倍ズームの状態でも同じ。ただ、Galaxy S24 Ultraは暗めすぎるし建物のノイズ感が気になる。
一方で5倍望遠だとGalaxy S24 Ultraはノイズ感が少なく撮影可能。Xiaomi 14 Ultraでは街灯や部屋の灯りが白飛びしているがGalaxy S24 Ultraだと抑えられている。まあ全体的にXiaomi 14 Ultraの方が明るく撮影できているので、パッと見の印象はXiaomi 14 Ultraの方が良いが。
10倍ズームではGalaxy S24 Ultraの方がノイジーだが建物の内外のコントラストが良いバランスで全体的にディティールがわかる画像に。また、Xiaomi 14 Ultraでは左下の河川敷の岩や草が暗くて潰れている一方で、Galaxy S24 Ultraでは何があるのか、どんな感じなのかが残っているので全体的にはGalaxy S24 Ultraの方がキレイに感じる。
30倍ズームでは両者ともにガビガビでザラザラ。ただ、Xiaomi 14 Ultraの方が明るく撮影できているので高倍率でより視認性が高いのはXiaomi 14 Ultraだろう。Galaxy S24 Ultraは白飛びを抑えられている反面、明暗さが出やすいので画質が悪く感じてしまう。
60倍ズームだとGalaxy S24 Ultraの方がキレイに撮影可能。というのもGalaxy S24 Ultraは撮影時にかなり早い段階でフォーカスロック機能が働いて画角をロックしてベストショットを狙いやすい一方で、Xiaomi 14 Ultraは画角のロックがほぼ効かない。後述の月の撮影ですら画角ロックがほぼできないので、手ブレし放題でベストショットの撮影には苦労する。
その結果、Xiaomi 14 Ultraの方が光量が多いせいもあり全体的にブレてしまった。
そして最後のXiaomi 14 Ultraが120倍、Galaxy S24 Ultraが100倍ズームでもXiaomi 14 Ultraの画角ロックがほぼ効かずに全体的にボヤけた印象に。Galaxy S24 Ultraは早々に画角ロックされて手ブレを抑えて撮影可能だった。
そのおかげでGalaxy S24 Ultraでは建物内にエスカレーターがあることが割とはっきりわかるだろう。
Xiaomi 14 Ultraは全体的に歓楽街のような光と影の部分をハッキリ撮影して、より楽しい雰囲気を撮影するのに適していそう。なので夜のシーンでは何か1つにフォーカスを当てるよりも風景写真として街全体や通り全体を撮影すると、明るさと賑やかさを残した写真を撮影できるはず。
月の写真は撮影が難しすぎる
ということで30倍以上のズームができるならかなりキレイに月の撮影が可能。実際に30倍ズームで撮影したのが以下の画像。どちらもキレイに撮影できており、細部のディティールはXiaomi 14 Ultraの方がクッキリ撮影できている印象。どちらも手持ちで10倍である程度の位置を掴んでから30倍にして撮影しただけだが、ここまで繊細に撮影できるのは素晴らしい。
ただ、Xiaomi 14 Ultraは自分でEVなどを下げて光量を調節して撮影しないといけない点がダルい。単にオート状態でズームすると以下の画像のように光の球になる。一方でGalaxy S24 Ultraは30倍にして月を画角に収めると自動で画角ロックされて明るさもバランスよく調節されるので、難しいことを考えなくてもサラっと簡単に撮影できるのがメリット。
Xiaomi 14 Ultraを120倍、Galaxy S24 Ultraを100倍にして撮影したのが以下。すでに書いたようにXiaomi 14 Ultraは画角ロックがほぼ効かないので手持ちで月を画角内に収め続けてシャッターを押すのは至難の業。実際に執筆者も苦労してやっと撮影したのが以下の画像だ。
一方でGalaxy S24 Ultraは30倍の時点で画角ロックされて、そのまま100倍にしても一瞬で画角ロックされてとても快適に撮影できる。ユーザー体験としてはGalaxy S24 Ultraの勝利。
100倍、120倍のズーム倍率なんて日常で使うことはないが、月を撮影する時に他の人に自慢できるという点ではあっても良い機能だ。ただし、Xiaomi 14 Ultraで月を撮影したいなら三脚を使ったり寝転んで腕を固定するなど、画角をロックできる環境がないと厳しい点はデメリット。
テレマクロで撮影できる写真はレベチ
個人的にXiaomi 14 Ultraは風景よりも花などの被写体にフォーカスして撮影するのに長けている気がする。まあ執筆者の場合は撮影する人物はいないので基本的に花や木々の写真になるが、適当にカメラを向けて望遠カメラにしてシャッターを切るだけでマジでハイクオリティの写真が取れるのが魅力的。
ここではふとした瞬間に撮影した写真をお披露目する。
マジで良さげな被写体を見つけたらそのままカメラグリップからカメラを起動、3.2倍とか望遠にしてEVを少し下げてシャッターを切っただけ。これだけで上に挙げたような高クオリティの写真を撮影可能。マジで簡単すぎる。
これまでスマホカメラで良い感じに値を調節したりフォーカスを定めたりしていたが、そんなことをしなくてもサクッと撮影するだけ。これがXiaomi 14 Ultra。
動画は手ぶれ補正が弱い印象
動画性能に関してはGalaxy S24 Ultraをそこまで大差ない一方で、手ぶれ補正が1080p30fpsでしか使えないのがデメリット。Galaxy S24 Ultraでは4KをクロップしてQHDでも手ぶれ補正が使えてたので、フラグシップとしては物足りない。
また、歩いた時の光の滲みも出やすいで注意が必要だ。
Xiaomi 14 Ultraを使って感じた微妙な点
この記事の最後にXiaomi 14 Ultraを実際に使って感じた微妙な点を紹介する。カメラ性能としてはかなり優秀なのは確かだが、それ以外の点が気になる。
HyperOSが不安定
Xiaomi 14 UltraはHyperOSを採用しているんだが、このOSは挙動が不安定。前述のように例えばサイドバーからTwitterXを画面分割するとTwitterXがフリーズして画面分割できなかったり、カメラグリップの充電設定がいつの間にかリセットされてたりと、バグっぽいのが散見される。
また、有名なところだとジェスチャー操作ではNova Launcherのようなサードパーティ製のアプリのジェスチャー操作が使えなかったり、クイックボールに通知表示や画面収録といった基礎的な機能がなかったりと、微妙に感じる点が多め。
まあ執筆者の場合は比較対象が最強のOS/UIのGalaxyのOne UIだから相手が悪いってのは事実だが、ある程度できるけど微妙にしたいことができないってのが個人的にダルいポイント。
放置してる時の充電の減りが早い
執筆者は常にXiaomi 14 Ultraにカメラグリップを装着して運用しているんだが、その状態で放置しているとマジで充電の減りが早い気がする。1日ほぼ触っていないのに本体のバッテリー残量が50%でカメラグリップの残量が20%とかザラ。
ほぼ触らずカバンに入れているだけでこんなに減るので、サブスマホなのに毎日高頻度で充電する必要あり。サブスマホなのでそんなにアプリを入れていないし、SIMは入れているが通信もほぼしていない。
ただ、外に持ち歩いてカメラを使っている日はそんなにバッテリーの減りが早くない印象なので、何が原因でなぜ待機電力がハンパないのかが謎。これからのアプデに期待。
Leicaカメラが最強なフラグシップスマホ
今回はXiaomiの渾身のフラグシップスマホのXiaomi 14 Ultraをレビュした。Photography Kitを導入することで最高なカメラ体験ができる最強のスマホだった。
一眼もデジカメもコンデジも写ルンですも使ったことがない写真ライト層の執筆者が短期間に数百枚の写真を撮影するきっかけになったスマホ。
カメラが強いスマホが欲しいけど一眼を買うお金はないし、何より荷物が増えたり管理がダルいって人はXiaomi 14 Ultraをメインスマホにして普段使いからカメラ撮影まで一元管理してほしい。
マジで最強。
https://youtu.be/6Atrwv5Y9lM