こんな人におすすめ
SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 3って実際のところどうなの?
評判は良いけど3.6万円以上するから慎重になって、何ができてどこが弱点なのか知りたい。
ということで、今回はSENNHEISERのフラグシップ完全ワイヤレスイヤホン「MOMENTUM True Wireless 3」をレビューする。
MOMENTUM True WirelessシリーズといえばMOMENTUM True Wireless 2が完全ワイヤレスイヤホンとは思えないほどの音質で話題となった。
今回の3は後継機で、弱点だったノイキャン性能の向上とさらなる音質アップがなされている。
結論、音質や機能面が全体的にバランス良く高評価なのでメイン機となった。
本記事では音質やノイキャンなどの感想、アプリでできること、そして使用して感じた良い点・悪い点を紹介する。
高額な部類に入るイヤホンだが、間違いなく名作となる完成度だ。
なお、マルチポイントなどの機能はソフトウェアアップデート(バージョン2.9.10)で追加された。
アップデートしていない人は是非とも最新版にアップデートし、その恩恵を受けていただきたい。
また、YouTubeでもMOMENTUM True Wireless 3のレビューを行なっている。合わせてご覧いただきたい。
MOMENTUM True Wireless 3のスペック
項目 | 性能 |
価格(Amazonで2022年10月8日時点) | ¥36,300 |
最大再生時間 | 最長7時間(イヤホン本体・ANCオフ) 最長28時間(ケース込み・ANCオフ) |
ANC | ○ |
外音取り込み機能 | ○ |
防水・防塵 | IPX4 |
イヤーピースの形状 | 円形 |
ワイヤレス充電(Qi) | ○ |
専用アプリ | ○ |
コーデック | SBC, AAC, aptX, aptX adaptive |
ドライバー | 7mmダイナミック |
装着検知 | ○ |
マルチポイント | x →アップデートで対応 |
風切り音低減 | ○ |
操作変更 | 1, 2, 3回タッチ、長押し |
タッチ式かボタン式 | タッチ式 |
強み | 広がりがありバランスの良い音質 外音取り込みと同時に再生停止できる ノイキャン時に風切り音低減できる 操作時の効果音を消せる サウンドゾーンに対応 |
MOMENTUM True Wireless 3の操作方法
- 左右1, 2, 3回タップ
- 機能なし
- 再生/一時停止
- 次のトラック(曲送り)
- 前のトラック(曲戻し)
- 音声アシスタント(Googleアシスタントなど)
- ノイズキャンセリング
- トランスペアレントモード(外音取り込み)
- 長押し
- 機能なし
- 音量上
- 音量下
- 音声アシスタント(Googleアシスタントなど)
- ノイズキャンセリング
- トランスペアレントモード(外音取り込み)
高級感のある見た目と紙が多い同梱物
MOMENTUM True Wireless 3の外箱は白を基調としたシンプルなデザインだ。
購入したのは日本のAmazonのはずだが、至る所の説明が英語だ。
同梱物は以下。あらゆる言語で書かれた紙が4冊も付属する。
- MOMENTUM True Wireless 3本体
- イヤーピース
- イヤーフィン
- USB Type-A 2 Type-Cケーブル
- クイックガイドの紙
- 安全に関する注意事項の紙
- 使い方ガイドの紙
- 技適関係の紙
イヤーピースは中央に十字の線が入っており、耳垢がイヤホンの方に行かないような配慮がされている。
さらにイヤーピースの裏面にはクッションのようなものがあり、さらに耳垢をブロックしてくれる。
イヤーフィンはフィンがないタイプとあるタイプの合計3種類が付属する。
運動するなどでイヤホンの落下が気になるって人は装着すると良いだろう。執筆者はつけている。
ファブリックケースが美しい
MOMENTUM True Wireless 3はファブリック調の充電ケースだ。
通常のイヤホンだとプラスチック感のあるケースが多いから、ファブリックはかなり高級に感じる。
前面には充電時などに光るライトと充電用のType-Cケーブルのポートがある。
なぜポートを前面に持ってきたのかわからないが、ちょっとオシャレ感がなくなっている気がする。
本体は重厚感があって美しい
一方で本体は重厚感がある鈍いカラーリング。本記事ではAmazon限定カラーの「Graphite」をレビューする。他にはWhiteとBlackがある。
Graphiteはタッチ部分が暗めのグレーになっていて、かなりカッコ良い。
ギラリと光るイヤホン本体が所有欲を満たしてくれる。
広がりがありバランス良い高音質
全体的にバランスが良く、低音系も高音系もボーカル系も難なく鳴らしてくれる。
音場もそれなりに広く苦手な分野がないといった印象だ。
バランスが良いので、ドンシャリなどの極端な音質が良いって人には向いていない。
イコライザーの帯域は3種類のみ
後述するアプリ「SENNHEISER Smart Control」でイコライザーを設定することができる。
しかし、イコライザーは「バス」「中」「トレブル」の3帯域のみ。自由自在に音質を変更することはできないので注意。
風切り音のオンオフで強度が大きく変わるノイキャン
MOMENTUM True Wireless 3のノイキャンは風切り音低減(風切音の防止)のオンオフで大きく強度が変わる。
風切り音低減がオフの状態、すなわち純粋なノイキャン状態だとノイキャンを押しにしているイヤホンにも匹敵するくらいの強度だ。
一方で、風切り音低減をオンにすると、ノイキャンの強度はおまけ程度になる。
- 風切り音低減オフ
- 低音はかなりカット
- 高音もそれなりにカット
- 風切り音低減オン
- 低音はそれなりにカット
- 高音はほぼカットできない
風切り音低減オフの状態だと空調の音や電車などのゴーッとという低音と走行音をそれなりに消してくれるが、高音域になるとあまり消えない。
SENNHEISERの高音質を損なわないようにノイキャン性能は落としているだろうから仕方ない。
オンにするとゴーッという音が消えるくらいで、走行音は残ってしまう。
風切り音低減かノイキャンを取るか
ノイキャンを重視して風切り音低減をオフにしてしまうと、風切り音でコンテンツの音が聞こえなくなる。
かといって音量を上げると耳への負担が大きくなる。ジレンマだ。
そして風切り音低減をオンにすると風切り音低減はキレイに消えるが、その代わりに ノイキャンがかなり弱くなる。
後述するが、電車⇄屋外のたびに風切り音低減のオンオフをするのが面倒だ。悩ましいが仕方ない。
ノイキャン中に風切り音低減
ノイズキャンセリングは周囲の音をイヤホンで集音し、その音と逆の音を作成することでプラスマイナス0の音 = 無音を作り出す機能のこと。
一方で、風の音は電車の走行音のような音とは異なり、かなり音量が抑えられている。要するに音が小さい。
この風の音がイヤホンに当たると、本来は小音なので無視すれば良いのにノイキャンが発動してしまう。
そうすると、イヤホンに当たった風の音と逆の音をノイキャン用の音として出してしまう。これが風切り音というものだ。
MOMENTUM True Wireless 3ではノイキャン使用中にこの風切り音を低減する機能が搭載されている。
おそらくイヤホンの外側についている集音用のマイクの性能を下げることで風切り音低減を実現しているのだろう。
なので風切り音低減を使うとノイキャン効果が弱まってしまうが、風切り音をほとんど感じなくなる。
イヤホンによっては、ノイキャン中に風切り音低減を使用できないものものあるので、同時使用できるのは超高評価だ。
自然でキレイな外音取り込み
MOMENTUM True Wireless 3の外音取り込みは自然でキレイに聴こえるので実用的だ。
若干ホワイトノイズっぽいのが聴こえるかなっと感じるくらいだが、外の音を取り込むので問題ない。
このレベルの外音取り込みだと普段の会話もスムーズに行えるだろう。
外音取り込みの強度を変更できる
外音取り込みの音量が大きいと感じたならアプリで音量を変更することができる。
音量調節はシームレスに行うことができ、自分に合った音量を選択できる。
なお、一番左の音量にすると外音取り込みがオフの状態と同じ音量になる。
外音取り込みと同時に再生停止可能
さらに外音取り込みと同時に音楽の再生停止(一時停止)をする機能も搭載している。
MOMENTUM True Wireless 3の外音取り込み(トランスペアレントモード)には以下の3種類がある。
- Off:外音取り込みオフ
- With Music:外音取り込み時は再生したまま
- Pause Music:外音取り込み時に再生停止
執筆者は自動で再生停止にする「Pause Music」に設定している。
この設定だと、再生停止→外音取り込みという2ステップを外音取り込み&一時停止の1ステップに短縮できる。
外音取り込み中も音楽を流したい場合は、外音取り込みした後に再生したらいい。
若干使いづらさもあるが便利なアプリ
MOMENTUM True Wireless 3はアプリ「SENNHEISER Smart Control」に対応している。
このアプリでできることは以下。機能は充実している。
- イヤホンのバッテリー残量の確認
- 接続端末の変更や削除
- イコライザーの設定
- Sound Checkの設定
- 外音取り込みの設定
- ノイキャンの設定
- Sound Zonesの設定
- 操作内容の変更
- 装着検知のオンオフ
- 自動電源オフの時間設定
- 効果音・アナウンスのオンオフ
ホーム画面で機能を一覧表示可能
ホーム画面では各機能を一覧で表示することができる。
一覧はアプリ内の「設定」から非表示にすることができるが、順番を変更することはできない。
接続端末の変更は手動
MOMENTUM True Wireless 3は当初はマルチポイントに非対応だったので、同時に接続できるデバイスは1台のみ。
接続端末はの切り替えは手動で行い、次のデバイスを押してしばらく待つと接続が変更される。
次の端末で接続したら自動で切り替わるわけではないので注意が必要。
アップデートでマルチポイント対応
なんと2022年10月初旬のファームウェアアップデート(バージョン2.9.10)でマルチポイント接続に対応した。
これで最大の弱点がなくなり、高機能でありつつもバランスの取れた最上級のイヤホンとなった。
イコライザーは3帯域のみ
Smart Controlではイコライザを設定するとが可能だ。しかし、変更できる帯域は全部で3帯域のみ。
どうやらアプリのアップデートで直感的なイコライザー機能が削除されたようだ。
以前のバージョンだと以下のような白丸を上下左右に動かすことで波の形状を変更しイコライザーを設定できた。
画像引用: 公式サイト
イコライザーはプリセットが6種類あるので、気軽に音質を変更することが可能だ。
もちろん、自分でイコライザーを作成して保存することもできる。
Sound Checkで自動イコライジング
「Sound Check」は自分で音楽を流している間に出題されるイコライザーを選択することで、個人に合ったイコライザーを提供するというもの。
勝手に音が鳴って勝手に測定してくれるわけではないので注意。他のイヤホンに搭載されている聴覚測定とは異なる。
また、Sound Checkの測定3STEPしかないので、イコライザーの数は27種類。手軽にできるが元々3帯域しかないし重宝しづらい。
外音取り込みは強度とモード変更可能
「トランスペアレントモード」は外音取り込み機能のことだ。「トランスペアレント(Transparent)」:透明をそのまま訳しているから「透明モード」だ。
スライドバーは外音取り込みの音量調節用で、一番左にすると外音取り込みオフと同じ状態だ。
真ん中の3つのボタンはそれぞれ以下の機能を持つ。
- Off:外音取り込みオフ
- With Music:外音取り込み時は再生したまま
- Pause Music:外音取り込み時に再生停止
個人的には最後の「Pause Music」がかなり便利だ。自動で再生停止してくれるので操作の手間がなくなる。
ノイキャンは自動調節
MOMENTUM True Wireless 3のノイキャンは「アダプティブノイズキャンセレーション」なので、自動で強度を調節してくれる。
「オフ」「オン」はそれぞれノイキャンのオフとオンに対応する。
そして「風切音の防止」はイヤホンに風が当たることで生じるボウボウ音を軽減する機能だ。
「風切音の防止」を選択すると風切り音が低減される代わりにノイキャン性能が少し下がる。そして、その振れ幅がかなり大きい。
風切り音低減中はオフ状態で聴こえるゴーッという音が消えるくらいだ。空調の音もそれなりに入ってくる。
屋内にいる際には「風切音の防止」はオフにしておくことをおすすめする。
Sound Zonesで設定を自動変更
「Sound Zones」はSONY WF-1000XM4の「アダプティブ・サウンド・コントロール」に近い機能だ。
特定の範囲内に入ると自動でノイキャンやイコライザーを変更するというもの。
いつも使う場所でいつも同じ設定にしているって人には重宝する機能だろう。
執筆者は基本ずっとノイキャンなので活用していない。
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操作内容の変更は自由度が高い
「タッチコントロール」はMOMENTUM True Wireless 3をタッチした時の操作内容の変更だ。
操作内容は左右それぞれ1, 2, 3回タップと長押しに対応している。
また、操作内容の変更はこれら4種類のタップ全てで変更できる。かなり自由度が高い。
- 機能なし
- 再生/一時停止
- 次のトラック(曲送り)
- 前のトラック(曲戻し)
- 音声アシスタント(Googleアシスタントなど)
- 音量上
- 音量下
- ノイズキャンセリング
- トランスペアレントモード(外音取り込み)
SONY WF-1000XM4やNoble Audio FALCON ANCは操作内容は変更できるものの、一括変更だったり2, 3回タップだけだったりと自由度が低い。
自分好みにカスタマイズできるという点がMOMENTUM True Wireless 3のポイントをさらに引き上げてくれる。
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操作時の効果音とアナウンスは無しにできる
アプリ下のタブ「設定」の「トーン & 音声プロンプト」からイヤホン操作時の効果音とアナウンスの設定ができる。
- オフ:全ての効果音とアナウンスをオフ
- トーンのみ:効果音のみ
- 音声 & トーンプロンプト:効果音とアナウンス
完全ワイヤレスイヤホンはその形状上、イヤホン本体で操作する必要があるから、今どんな操作をしているのか確認したい人も多い。
そんな人に操作ごとの「ピッ」「ポッ」などの効果音や「接続しました」などのアナウンスは重宝する。
しかし、個人的にはその効果音やアナウンスで聴いているコンテンツを邪魔されるのが嫌だ。
なので、執筆者は効果音はオフにしている。オフにできないイヤホンも多いから、この機能はありがたい。
MOMENTUM True Wireless 3の良い点
ここからはSENNHEISER MOMENTUM True Wireless 3を使って感じた良い点を書いていく。
バランスに優れた高音質
これはSENNHEISERだから当たり前かもしれないが、MOMENTUM True Wireless 3の音質はかなり良い。
低音が強すぎることもなければ高音が耳に響くってこともない。バランスが良い。
なのでどんな音楽でも柔軟に対応できるオールマイティに聴くことができる。
外音取り込みと同時に再生停止できる
この機能は外音取り込みにすると自動的に再生停止(一時停止)してくれるというものだ。
いちいち再生停止→外音取り込みオンという2ステップを踏む必要がないので、操作が楽になる。
急に話しかけられたりアナウンスを聞きたいってなった際に、すぐに対応できるのが魅力的だ。
なお、自動で再生停止せず、音楽を流し続けることも可能だ。BGMとして流し続けたい時に重宝する。
アプリの「トラインスペアレントモード」を「With Music」にするだけ。お手軽だ。
操作内容の変更の自由度が高い
MOMENTUM True Wireless 3はイヤホンでできる操作内容の変更の自由度がかなり高い。
自由度が高いことで、自分好みのイヤホンに仕立てることができる。設定できる内容は以下。
- 機能なし
- 再生/一時停止
- 次のトラック(曲送り)
- 前のトラック(曲戻し)
- 音声アシスタント(Googleアシスタントなど)
- 音量上
- 音量下
- ノイズキャンセリング
- トランスペアレントモード(外音取り込み)
これらの操作内容を左右のイヤホンの1, 2, 3回タップと長押しに割り振ることができる。
さらに音量操作を長押しに設定すると、長押ししている間は連続的に音量調節ができる。かなり便利だ。
なお、左右のイヤホンで共通の操作も割り振ることが可能だ。
ノイキャンと同時に風切り音低減できる
MOMENTUM True Wireless 3はノイキャン中に風切り音低減機能(風切り音の防止)を使用できる。
この機能のおかげで風が強い日でも風の音を気にすることなくコンテンツに集中することができる。
ノイキャン中に風切り音低減が使えないイヤホンもあるから、MOMENTUM True Wireless 3の同時使用できるのは高評価だ。
操作時の効果音を消せる
MOMENTUM True Wireless 3はタッチした時の効果音を消すことができる。
効果音があることで今イヤホンを何タップしているのかがわかると高評価にする人も多い。
ただ、個人的にはいちいち「ピッ」「ポッ」と音が鳴るのが煩わしいのでオフにしたい。
オフにできないイヤホンが多い中、MOMENTUM True Wireless 3はオフにできるので煩わしさから解放される。
ワイヤレス充電対応
MOMENTUM True Wireless 3はワイヤレス充電に対応しているので、充電時にいちいち充電ケーブルを挿す必要がない。
執筆者は帰宅したらすぐにMOMENTUM True Wireless 3をワイヤレス充電パッドに置いて自動充電する。
こうすることで、イヤホンの簡易的な置き場と充電と同時にできる。
なお、ワイヤレス充電器は平置きタイプがおすすめだ。イヤホンをスッと置くだけで充電できる。
MOMENTUM True Wireless 3の微妙な点
ここからは逆にMOMENTUM True Wireless 3を使って感じた微妙な点を紹介する。
いくらハイエンドだからと言っても微妙な点が一切ないというわけではない。
風切り音低減時のノイキャンが弱い
MOMENTUM True Wireless 3のノイキャンはオフ状態だとそれなりに強い。しかし、風切り音低減をつけると弱すぎる。
空調の音や電車の走行音はある程度消してくれるが、高音域はほとんど消えないと思うのが良いだろう。
ノイキャンによる音質の変化を避けてのことだろうが、ノイキャン目的で使用するのはおすすめしない。
風切り音低減をイヤホンで変更できない
これはこじつけに近いが、イヤホン操作で風切り音低減を操作できるようにしてほしい。もしくはスマホのウィジェット対応。
操作できるようになれば、外出時や帰宅時に適した状態でMOMENTUM True Wireless 3を楽しめる。
未だかつて風切り音低減をアプリ以外から変更できるイヤホンを見たことないから難しいかもしれないが、期待する。
効果音オフだとあらゆる効果音が消える
操作時の効果音を消せるのは個人的にかなりありがたい機能の1つだ。
ただ、効果音をオフにしてしまうと、ありとあらゆる効果音がオフになってしまう。
残して欲しかった効果音が以下だ。
- スマホとの接続完了
- ペアリングモードへの移行
スマホとの接続が完了したことを簡単にでも知らせてくれると、不意にスマホで音を流すというミスがなくなる。
また、アプリからの接続変更がうまくいかない時にペアリングモードにするが、この時のペアリングモードになったことも知らせてほしい。
どちらもいつの間にか操作が完了しているが、心配なのでいちいちスマホ側で確認することもある。
個人的には効果音「トーン」に加えて「音声プロンプト(接続系のみ)」という選択肢があると良いと感じた。
イコライザの帯域が少ない
アプリ「Smart Control」でのイコライザが3帯域とかなり少ない。
また、アプリのアップデートでそれまでは搭載していた直感的なイコライザ機能が削除されたようだ。
変に音質をいじるなってことかもしれないが、自分好みに味付けしたい人からすると残念に感じるポイントだ。
ノイキャン系の操作がちょっとわかりづらい
MOMENTUM True Wireless 3はイヤホンだけで再生/一時停止、音量調節、ノイキャン系の変更、曲送り系の操作が可能だ。
しかし、ノイキャン系の操作が少しわかりづらい。
ノイキャン系には2種類の操作項目があるが、これらは以下のように機能分けされている。
- トランスペアレントモード
- 外音取り込み⇄元の状態
- ノイズキャンセリング
- ノイキャン⇄元の状態
- ノイキャン⇄オフ(ノイキャンからノイキャンの場合)
「元の状態」というのは「トランスペアレントモード」「ノイズキャンセリング」の操作前の状態のことだ。
例えば、ノイキャンの状態から「トランスペアレントモード」にするとノイキャン⇄外音取り込みとなる。
- ノイキャン状態
- 「トランスペアレントモード」
- 外音取り込み状態
- 「トランスペアレントモード」
- ノイキャン状態
一方で、「ノイズキャンセリング」の挙動は複雑だ。
外音取り込み中に作動させると外音取り込み→ノイキャンだが、ノイキャン中に作動させるとノイキャン⇄オフとなる。
- 外音取り込み状態
- 「ノイズキャンセリング」
- ノイキャン状態
- 「ノイズキャンセリング」
- オフ状態
- 「ノイズキャンセリング」
- オフ状態
オフ状態を無しにして、常に外音取り込み⇄ノイキャンの操作内容があるとより便利だと感じた。
装着検知で再生停止中も操作できる
MOMENTUM True Wireless 3は装着検知機能が搭載されており、イヤホンを耳から外すと自動で再生停止してくれる。
しかし、この状態でもイヤホンでの操作が可能だ。他のイヤホンだと装着検知中は操作が無効になるはず。
なので、装着検知中のイヤホンに触れて誤動作を起こしてしまうことがある。注意が必要だ。
なお、イヤホンを外している最中に外音取り込みをすると、一瞬だけ適用されて、すぐに戻るようだ。
ただし、ソフトウェアアップデートのバージョン2.9.10では外した方のイヤホンのタッチコントロールは無効になった。
更新内容の一部が以下。要するにイヤホンを外側に置いていると操作をブロックしますってこと。
Touch control blocked when earbud is outside of the ear
人混みだと途切れやすい
MOMENTUM True Wireless 3は人混みではブツブツと途切れることが多い。
使っているスマホはGalaxy S22 Ultraで他の完全ワイヤレスイヤホンでは同じ場所でも途切れることはなかった。
左右どちらかしか聴こえない瞬間もあり少しストレスに感じる。
タッチ感度が高すぎる
MOMENTUM True Wireless 3はイヤホンをタッチすることで操作するが、このタッチセンサーの感度がかなり高い。
ちょっと触れるだけで反応するので、操作自体は楽に行えるが誤動作が多い印象だ。
特にイヤホンをつけるとき、外すときに1回タップの操作が適用されることが多い。
イヤホンに触れる際にはタッチされないように、イヤホンのフチの部分を持つようにしよう。
価格が高い
SENNHEISERという老舗ブランドということもあり、MOMENTUM True Wireless 3の価格は大体3.6万円前後とかなり高額だ。
SONY WF-1000XM4も定価は3.3万円、Apple AirPods Proも定価は3万円(2022年7月の料金改定で3.9万円)と高額だ。
ただ、ハイエンドが欲しいからといって、ほいそれと出せるような価格ではない。
欲しいって人はまずは家電量販店などで視聴することをおすすめする。なお、執筆者は視聴してから購入した。
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レビューまとめ
ということで、SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 3の最終的なレビューまとめは以下。
高音質でノイキャン・外音取り込みに対応、アップデートでマルチポイントにも対応した、隙がないバランスの取れたイヤホンだ。
価格が高いので手が出しづらいが、満足いくハイクオリティで買って正解だと感じた。
良い点
- バランスの良い高音質
- 外音取り込みと同時に再生停止
- 操作内容の変更の自由度が高い
- ノイキャン時に風切り音低減ができる
- 操作時の効果音を消せる
- ワイヤレス充電対応
微妙な点
- 風切り音低減時のノイキャンが弱い
- 風切り音低減の設定が面倒
- マルチポイント非対応→アップデートで対応
- 効果音を消すとあらゆる音が消える
- イコライザの帯域が少ない
- ノイキャン系の操作がわかりづらい
- 装着検知中でも操作できる
- タッチ感度が高すぎる
- 価格が高い
純正イヤーピースだと緩いと感じる人へ
付属のイヤーフィンで装着感や安定感が増すが、どうしてもイヤーピースがフィットしないという人が多い。執筆者もそうだ。
手持ちのイヤーピースを色々と試したところ、「SednaEarfit Crystal for TWS」だとガッチリ耳にハマることがわかった。
ペタペタ素材なので装着が難しいが、落としたくないって人には向いているイヤーピースだ。
完全ワイヤレスイヤホンの性能グラフ
イヤホン名をシングルクリックで非表示、ダブルクリックで単発表示。
初期表示の3機種は個人的ベスト3(音質、ノイキャンなどの性能、使いやすさなどを考慮)。
風切り音低減機能(風切り音の防止機能)搭載の完全ワイヤレスイヤホンのノイキャンは、風切り音低減オン状態の数値にしている。
性能 | Jabra [Elite 75t] | Galaxy [Galaxy Buds Pro] | AVIOT [TE-D01t] | Nothing [Ear(1)] | SONY [WF-1000XM4] | Jabra [Elite 85t] | Jabra [Elite 7 Active] | XROUND [FORGE NC] | Anker [Soundcore Liberty 3 Pro] | Noble Audio [FALCON ANC] | SENNHEISER [MTW 3] | SOUNDPEATS [Mini Pro] | SOUNDPEATS [Capsule3 Pro] | SOUNDPEATS [Opera 05] | SOUNDPEATS [Opera 03] |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
本体再生時間(ANCあり) | 5.5 | 5 | 12.6 | 4 | 8 | 5.5 | 8 | 9 | 6 | 6 | 5 | 5 | 5.5 | 6.3 | 6.3 |
本体再生時間(ANCなし) | 7.5 | 8 | 18 | 5.7 | 12 | 7 | 10 | 11.7 | 8 | 8.5 | 7 | 7 | 8 | 9 | 9 |
ノイキャン低音 | 7 | 6 | 5 | 4 | 10 | 8 | 7 | 6 | 8 | 6 | 7 | 6 | 7 | 8 | 8 |
ノイキャン高音 | 4 | 5 | 4 | 4 | 8 | 6 | 7 | 4 | 6 | 4 | 5 | 4 | 4 | 6 | 6 |
外音取り込み | 9 | 5 | 4 | 4 | 7 | 8 | 8 | 5 | 7 | 5 | 7 | 5 | 5 | 5 | 5 |
ドライバーサイズ | 6 | 11 | 10 | 11.6 | 6 | 12 | 6 | 7 | 10.6 | 10 | 7 | 10 | 12 | 12 | 12 |
音質低音 | 8 | 7 | 6 | 6 | 9 | 7 | 7 | 6 | 7 | 8 | 7 | 7 | 6 | 7 | 7 |
音質高音 | 5 | 7 | 5 | 4 | 7 | 7 | 6 | 6 | 4 | 8 | 8 | 5 | 7 | 8 | 7 |
操作性 | 8 | 5 | 7 | 3 | 2 | 8 | 7 | 6 | 8 | 5 | 9 | 5 | 5 | 5 | 5 |
アプリの使いやすさ | 8 | 5 | 4 | 3 | 6 | 8 | 7 | 6 | 8 | 6 | 8 | 6 | 5 | 5 | 5 |
付加機能 | 5 | 5 | 5 | 4 | 8 | 6 | 5 | 8 | 6 | 5 | 8 | 4 | 4 | 4 | 4 |
防水(IPX○) | 5 | 7 | 4 | 4 | 4 | 4 | 5 | 7 | 4 | 4 | 4 | 5 | 4 | 4 | 4 |
防塵(IP○X) | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
デザイン | 6 | 7 | 4 | 8 | 7 | 6 | 7 | 7 | 7 | 8 | 9 | 6 | 6 | 8 | 8 |
ランキング | 圏外 | 圏外 | 圏外 | 圏外 | 2 | 3 | 圏外 | 圏外 | 圏外 | 圏外 | 1 | 圏外 | 圏外 | 圏外 | 圏外 |
全てが高レベルでバランス型の高音質イヤホン
ということで、今回はSENNHEISERのハイエンド完全ワイヤレスイヤホン「MOMENTUM True Wireless 3」をレビューした。
音質はさる事ながら、機能性も抜群でまさに高レベルでバランスの取れた高音質イヤホンだ。
高額ではあるものの、それに見合う圧倒的なクオリティが執筆者を唸らせた。そして気づいたらメインイヤホンになっていた。
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