今回は2023年10月27日(金)発売のQCYのノイキャンワイヤレスヘッドホン「QCY H3」をレビューする。QCY H3は低価格ながらハイレゾ認定されているし、何よりノイキャンがめちゃくちゃ強力。
これまで周囲の音に合わせてノイキャンを自動調節する「アダプティブノイキャン」は微妙という立ち位置だったがQCY H3のアダプティブノイキャンはマジで強力。
低価格で強力なノイキャンを探している人はチェックしてほしい。
今回はメーカー様から商品を提供いただいたが、いつも通りレビューする。
また、本記事で紹介するアプリのバージョンはv4.0.4_610だ。
QCY H3のスペック
項目 | 性能 |
---|---|
最大再生時間 | 35時間(ANCオン) 60時間(ANCオフ) |
重量 | 260g |
ANC | ○ |
外音取り込み機能 | ○ |
専用アプリ | ○ |
コーデック | SBC、AAC |
ドライバー | 40 mmダイナミックドライバー |
装着検知 | × |
マルチポイント | ○ |
風切り音低減 | ○(アプリで切り替え) |
操作変更 | 音量+(1回押し) 音量-(1回押し) MFB(1-4回押し) |
タッチ式かボタン式 | ボタン式 |
期間限定クーポンあり
QCY H3の期間限定クーポンを発行いただいた。このクーポンを使用すると5%オフとなるので、ただでさえ安いのにさらに安く購入できる。すごすぎる。
さらにAmazonリンクに記載の20%オフクーポンとも併用できるのでもう安すぎて意味不明。
- 使用期限:2023/10/27 00:01~2023/11/05 23:59
- 割引率:5%
- 割引コード:QRCGH82I
QCY H3の詳しい性能はこれから紹介するが、この価格でここまでの性能だったら普通に買い。
QCY H3の操作方法
- ANCボタン:ノイキャン系の切り替え(ノイキャン→外音取り込み→オフ)
- 音量+(1回押し)、音量-(1回押し)、MFB(1-4回押し)
- 無効
- 再生/一時停止
- 曲戻し
- 曲送り
- 音声アシスタント
- 音量+
- 音量-
- ゲームモード
イヤーカップのクッションがモチモチすぎる
QCY H3はコストカットか環境への配慮か、箱自体かなりコンパクトでケースもなければ頑丈な梱包もなかった。一応、ビニール袋とプラスチックの型取りの箱には入っていた。同梱物は以下。
- QCY H3本体
- USB Type-A to Type-Cケーブル
- 3.5mmオーディオジャック
- 取扱説明書
ヘッドホン本体は普通な感じで最近では珍しく左右で折りたたむことができるタイプ。ただしケースは付属しないので、持ち運ぶ際には自分でいい感じのケースを用意する必要があることに注意。
今回ご提供いただいたのはホワイトカラーだが、真っ白ではなくオフホワイトのような若干くすんだようホワイトだ。
パッと見の形状はSONY WH-1000XM4に似たような形状で、イヤーカップがちょっと長細い。
ヘッドバンドには何も印字はないが、伸縮されるバンド部分にバンドの長さの目盛が割り振られている。このおかげで自分に合ったヘッドバンドの長さを簡単に覚えられる。
しかしおもて面についているから外から丸見え。内側にするべきではなかろうか。
操作インターフェースはヘッドホンの右側に集約されており、後述のアプリで4回押しまで設定できるMFB(マルチファンクションボタン)、音量+/音量-ボタン、3.5mmオーディオジャック、USB Type-C端子、ノイキャン系の切り替えボタンを搭載。
イヤーカップの内部にはLRがデカく記載されているので左右の識別は簡単。
そしてなんといってもイヤーカップのクッションがモチモチすぎる。
ヘッドバンド部分もこのモチモチクッションだが、イヤーカップが肉厚で普通に座る用として商品でありそうなレベルのクッション性だ。
このクッション性のおかげで後述のノイキャン性能も上がっているだろう。
ハイレゾまで対応の高音強めなドンシャリ音質
QCY H3は高音がちょっとシャリっとしているドンシャリ傾向のあるサウンド。ただ、アプリのイコライザで調節すれば自分好みの音にできるからそこまで問題ではない。
低音も40mmのダイナミックドライバーのおかげで元から深いし、イコライザでガッツリ増やすことができるので音の汎用性は高い。
また、有線接続ではHi-Res認証のより高音質で聴くことが可能だ。有線接続すると全体的な音のバランスがかなり良くなる。下手にイコライザをいじりたくない人は有線接続もおすすめ。
ただし、有線接続すると自動で電源がオフになるのでノイキャンを使用できず、周囲の音がそのまま入ってきてしまうのが難点。有線接続するなら静かな環境がおすすめだ。
アダプティブノイキャンがかなり強力
QCY H3は公称値で最大-43dBのノイキャンに対応し、アプリでノイキャンのモードとノイキャンの強度を変更可能。ここら辺はQCY HT07と同じ。
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アプリでノイキャンのモードと強度を変更可能
ノイキャンは以下の5種類から選択でき、真ん中の3つはノイキャンの強度を3段階で変更可能。
- アダプティブ
- 騒がしい(強度の変更が可能)
- 通勤(強度の変更が可能)
- 室内(強度の変更が可能)
- 風切り音カット
基本はこの後に紹介する最強の「アダプティブ」か次に強力な「通勤」か外出時用の「風切り音カット」に設定するのが良いだろう。
アダプティブノイキャンが強力
QCY H3には色々とノイキャンモードが搭載されているが、その中でもアダプティブノイキャンが最強。周囲の音に合わせてノイキャン強度を最適化してくれるモードで、これが明らかに強い。
空気清浄機+除湿機の音もゴォーッからサーくらいまで軽減してくれる。この音は個人的に最強のSONY WF-1000XM5でもうっすら聞こえるくらいだから、
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着用しているメガネの隙間がある状態でもQCY H3のアダプティブノイキャンはかなり強力。で、メガネを外してみると残っていた空気清浄機+除湿機の音がほぼ消えた。マジで強い。
ただし、アダプティブに移行する際には周囲の音の測定のためか、10秒くらい移行時間がかかる。これについては後述。
加えて、おそらくアダプティブをONにした状況下でのアダプティブノイキャンだから、他の場所に移動したりヘッドホンを付け直したりするとノイキャンが弱まる。常時ノイキャン測定は難しいようだ。
風切り音低減機能も搭載
QCYのイヤホンやヘッドホンには風切り音低減(風切り音カット)機能が搭載されており、風がヘッドホンに当たっても不快なボウボウって音が聴こえない。
風切り音低減のオン・オフで明らかに音楽体験が変わるので外出時には風切り音低減はオンにしてほしい。
なお、風切り音低減中のノイキャンは「通勤」か「騒がしい」くらいのノイキャン強度なので、ノイキャン強度がそこまで下がる印象はなかった。
ちょっと高音が強めな外音取り込み
QCY H3は外音取り込みにも対応しているが、外音取り込みはちょっと高音が強めなので使いづらさがある。また、ホワイトノイズも多めに感じる。なのでレジでのお会計時のピッという音が耳に響く。
また、ノイキャン系はアプリで細かく調節できるが外音取り込みは調節できないので外音取り込みを使うなら、高音キツめなのは受け入れるしかない。
ただ、高音が強いということは人の声は割と入りやすいということなので、人との会話はやりやすい。んだがホワイトノイズが気になる。
シンプルながらできることが多いアプリ
QCY
Dongguan Hele Electronics Co., Ltd.無料posted withアプリーチ
QCY H3はアプリ「QCY」に対応。このアプリでは主に以下の設定が可能だ。
- バッテリー残量の確認
- イコライザの変更
- ノイキャン系のモード変更
- ノイキャンのモードと強度の変更
- 左右のオーディバランスの変更
- ボタン操作の変更
- ヘッドホンを探す機能
見た目はシンプルだが、タブとスクロール機能で意外にもできることは多め。
イコライザは6+1種類
QCY H3では合計6種類のイコライザを使用可能。
- デフォルト
- ポップ
- ベース
- ロック
- ソフト
- クラシック
- カスタム
カスタムイコライザを使えば55Hz〜22kHzまでを10帯域に分けて±8dBでイコライザを作成可能だ。これだけ帯域と操作範囲が広ければ自分好みの音を作ることができるだろう。
帯域を変更すると一瞬ラグがあって反映されるので、下手にいじりすぎて修復不可にならないように注意。
ノイキャンモードが豊富
QCY H3はノイキャンと外音取り込み、オフ状態(通常)を切り替えられ、ノイキャンモードだけ前述の通り合計5種類のモード変更が可能だ。
- アダプティブ
- 騒がしい(強度の変更が可能)
- 通勤(強度の変更が可能)
- 室内(強度の変更が可能)
- 風切り音カット
真ん中3つはノイキャンの強度も変更できるので、アプリを起動する手間はあるが状況に応じてノイキャンの強度を変えられる。個人的には亜ダプティブノイキャンが最強。
MFBは4回押しまで対応
QCY H3は音量+と音量-、MFB(マルチファンクションボタン)の3ボタンの操作内容の変更可能。音量+と音量-は音量アップ・ダウンを変更するだけだが、MFBはなんと4回押しまで対応。やばすぎる。
設定できる項目は以下の8種類。音量アップ・ダウンは音量+、音量-ボタンで対応すればいいので、残りの再生系と音声アシスタントなどに割り振ればほぼ全ての操作を完結できる。そう、1操作だけ漏れるんだ。
- 無効
- 再生/一時停止
- 曲戻し
- 曲送り
- 音声アシスタント
- 音量+
- 音量-
- ゲームモード
4回押しは連打でミスが多そうな印象だったが、物理ボタンかつラバーっぽいボタンなので4回押しでもミスすることなく押すことができた。SONY WF-1000XM5の音量調節のようなシビアな判定ではなかった。
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ただ、音量+と音量-も2回押しなどにも対応してほしい、音量・MFBどちらも長押しには対応してほしかった。押しやすいし誤動作も少ないだろうから対応できたはずだ。
音量ボタンとMFBを駆使してもどうしても1操作だけ操作を割り振れないのはなんかモヤモヤする。
QCY H3を使って感じた良い点
続いてはQCY H3を使って感じた良い点を紹介する。
アダプティブノイキャンがかなり強力
個人的に衝撃だったのがアダプティブノイキャンの強度。これまで数多のアダプティブノイキャン機能を使ってきたが、どれも通常ノイキャンを最強にする方がノイキャンが強いという、ノイキャン重視信者には微妙な機能なイヤホン・ヘッドホンばかりだった。
しかしQCY H3のアダプティブノイキャンはこれまでの常識を覆すが如く強力。通常ノイキャンの最強で割と聞こえていた空気清浄機+除湿機の音が、アダプティブだとホワイトノイズ+αくらいまで下がった。
周囲の音が騒がしいって人はアダプティブに設定するのをおすすめする。そしてこのノイキャンが¥5,000くらいで購入できるのが驚異的。
イヤーカップのクッションがモチモチ
で、このノイキャンを支えてくれるのがイヤーカップのクッション性。マジでモチモチで、これでクッションを作ってもいいくらい。このモチモチが耳にフィットしてより遮音性を高めてくれる。
ただ、今回ご提供いただいたホワイトカラーだと皮脂汚れで最終的に黄ばみそうなのが難点。黄ばんだモチモチにクッションはしんどい。
ヘッドホンバンドに長さ調節の目盛が振られている
さらに耳への装着感を高めるためにはヘッドホンバンドの長さ調節も必要。なんだが、QCY H3はヘッドホンバンドに目盛が振られていて、ちょうど良い位置を記憶できる。
目盛がなかったりシームレスだと左右それぞれの位置を感覚で覚えておくしかないが、段階式かつ目盛があれば左右それぞれでベストな位置に調節できる。
んだが、なぜおもて面に目盛を割り振ったんだ?外から丸見えでないか。
QCY H3を使って感じた微妙な点
一方でQCY H3を使って感じた微妙な点についても触れておく。
アダプティブノイキャンの移行に時間がかかる
QCY H3のアダプティブノイキャンが強力っての話は既にしたけど、このノイキャンに移行するまでに時間がかかる。アプリ上でアダプティブを選んだら以下のステップを踏んでモードが変わる。
- Adaptiveのアナウンス
- 謎の音楽
- ピーンという効果音
- オフ状態
- アダプティブノイキャンに移行
2つ目の謎の音楽はおそらくヘッドホン内部の環境を測定し(フィードバック)、ピーンという音で完了の合図、オフ状態で周囲の雑音(フィードフォワード)の測定しているのだろう。
その結果アダプティブノイキャンはかなり強力になるんだが、毎回、割と大きめのサウンドで10秒くらい移行の時間があるので面倒。
ただ、時間をかけるだけのノイキャン強度があるので執筆者はアダプティブを使い続ける。
外音取り込みの高音がキツめ
執筆者はイヤホン・ヘッドホンをした状態で外音取り込みにしてレジ対応をするんだが、QCY H3は高音がキツめなのでちょっと使いづらい。まあ数十秒なので外音取り込みのまま我慢したらいいんだが、これが積み重なると耳に悪そう。
幸いQCY H3はヘッドホンなのでレジでの会計時だけヘッドホンを肩掛けすればいいっちゃいい。髪がぺちゃんこになることに耐えられれば。
アプリとの接続がうまくいかないことが割と多め
特に初回接続の時に頻発するんだが、ゲストアカウントだろうがアカウント作成だろうがログインだろうが、大抵1回は処理に失敗する。で、無事にログインできてもQCY H3を認識しない。
一度アプリとQCY H3を接続できれば次回からはスムーズに接続されるが、最初の段階でつまづくと印象が悪いのでどうにか改善してほしい。
レビューまとめ
最終的なQCY H3のレビューまとめは以下。このヘッドホンの1番の魅力はアダプティブサウンドのノイキャン性能だろう。初めてアダプティブノイキャンを真面目に使った。というより他ブランドの真面目にアダプティブしすぎ。
また、このノイキャンを実現するためにイヤーカップのクッションがモチモチだったりヘッドバンドにメモリがあったりと、細かいところで工夫がある。
そして何より安いのが魅力的。
良い点
- アダプティブノイキャンがかなり強力
- イヤーカップのクッションがモチモチ
- ヘッドホンバンドに長さ調節の目盛が振られている
微妙な点
- アダプティブノイキャンの移行に時間がかかる
- 外音取り込みの高音がキツめ
- アプリとの接続がうまくいかないことが多め
アダプティブノイキャンが最高なお手頃ヘッドホン
今回は低価格ながらノイキャン性能が高いヘッドホン「QCY H3」をレビューした。この価格でここまでのノイキャンを搭載しているのは衝撃的。
安く強力なノイキャン・モチモチなクッションを体験したい人は是非ともチェックしてほしい。