こんな人にオススメ
AnkerのSoundcore Life Q35って実際どうなの?1万円クラスのヘッドホンだけどノイキャンとかってどうなの?
ということで、今回はAnkerから出ているSoundcore Life Q35をレビューする。一言で言うと、結構満足。ノイキャンは弱めのように感じたけど、完全ワイヤレスにはない高音の消し感が良き。
執筆者としては初めてのヘッドホンで他のヘッドホンとの比較ができないが、それも踏まえてヘッドホンデビュアーとしてのレビューを行う。
なお、執筆者はLDAC環境を持っていないので、LDACのレビューが見たい人は他の方のレビューを見てほしい。
Soundcore Life Q35のスペック
項目 | 性能 |
価格(Amazonで2021年8月28日時点) | ¥10,990 |
最大再生時間 | 最大38時間(LDAC + ANC) 最大40時間(ANC) 最大60時間(通常時) |
重量 | 270 g |
ANC | ○ |
外音取り込み機能 | ○ |
防水・防塵 | 恐らく× |
ヘッドホンの種類 | 密閉型 |
ワイヤレス充電(Qi) | × |
専用アプリ | ○ |
コーデック | SBC、AAC、LDAC |
ドライバー | 40 mmダイナミックドライバー |
装着検知 | ○ |
操作変更 | × |
タッチ式かボタン式 | ボタン式(右ハウジングのタッチも可能) |
強み | 低価格 LDAC対応 ノイキャンがそこそこ強い イコライザ豊富 |
高級感のある箱
まずは箱からだが、割と高級感のある印象。箱には保護フィルムが巻かれているので、上の画像では少し白っぽくなっている。裏面にはどんな用途で使えそうかってのが書かれている。
裏面の言いたいことは、
- ANCのモード変更可能
- ハイレゾで音楽が聴ける
- 装着検知あり
- 40時間の再生
- キレイな通話品質
- 5分の充電で4時間使用可能
- NFCでのペアリング対応
- タッチで外音取り込みにできる
完全ワイヤレスでも実現できている部分が多いが、流行りヘッドホン。数値の部分がずば抜けている。再生時間だと40時間で、以前にレビューしたロングバッテリーのAVIOT TE-D01tでも18時間。
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【AVIOT TE-D01tレビュー】全部盛りだけど盛れてない
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さらに1万円前後の価格帯ながら超高音質コーデックの「LDAC」に対応しているのはなかなか強い点。ただし、iOSはそもそも非対応だし、Amazon Music HDなどの特殊なサービスを使用する必要がある。
執筆者は音楽をガッツリ聴くよりかは、BGM感覚で集中ように聴く、もしくはYouTubeの視聴・ながら聴きがメインだからLDAC環境はなし。そもそもLDACが使いたい人はもっと美しいヘッドホンを使うべしが持論。
同梱物
箱に入っていたのはヘッドホンケース(中にヘッドホンとかあり)と取説や保証証など。ヘッドホンケースを開けるとヘッドホン本体とその他付属品が大量に。
他のレビュアーさんの記事とかを見ると、ヘッドホン同士が下手にぶつからないように仕切りのスポンジが入っているっぽいが、執筆者の購入したものには入っていなかった。
ヘッドホンの右下にある小袋にはその他付属品が入っている。内容物は以下。
- Type-A 2 Type-Cケーブル
- 3.5 mm AUXケーブル(操作リモコンあり)
- 航空機用プラグアダプタ
- 乾燥剤
執筆者は飛行機に乗らないしワイヤレスでしか使わないしケーブルはType-C 2 Type-Cを持ってるからこれら付属品は再度封印。家で使用するのがメインなのでケースも封印。
ちなみにオススメのType-C 2 Type-Cケーブルは同じくAnkerのPowerLine III Flow。圧倒的なしなやかさとサラサラ感で取り回しが抜群。この前のタイムセールで1本追加した。
高級感の見える本体
ヘッドホン本体はこんな感じ。カラーはネイビーとピンクの2色展開。前作のQ30ではブラックがあったが今回はない模様。ハウジング部分位はSoundcoreのロゴがあるだけ。シンプル。
マットなプラスチック感
基本的な素材はプラスチックだろう。しかし、テカテカのプラスチックではなく、マットな質感なので安っぽさは少ない。側面のロゴは彫られたような加工がされており、プリントじゃないのも良い点。
ハウジング部分から頭頂部のクッションまでも同じようにマット加工されたプラスチックっぽい見た目だが、ここには左右どちらにもANC対応という趣旨のプリントがある。
普通の合皮なクッション
ハウジングのクッション部分は合皮っぽい感じ。通気性は悪そうなので屋外で使用する際にはかなり群れそう。執筆者は家での使用がメインなので気にしない。
音が出る部分はメッシュ加工されており、ふかふか。この部分にR、Lの表記があるのでここで左右の識別を行うことができる。下の画像だとRと書かれているので右側のハウジング。
頭頂部のクッションもレザー調。クッションが効いているので頭が痛くなるとかは全然ない。
物によったらベロア生地でクッションが構成されているものもあるが、合皮は合皮でクッションが損なわれず、安っぽさも少なくて良い。あとは汚れや皮脂も拭き取りだけでかなり落ちるから良い。
メタリックな部分は高級感あり
ハウジング部分から頭頂部に向かうと、途中で長さ調節の部分が現れる。この部分はマットなプラスチックではなく、メタリックな感じになっていて高級感がある。こちらもマットな感じ。
もちろんガチの金属に比べると光沢感が安っぽい感じはするけど、それでもかなり良い印象。まとめると以下の感じ。
そこまで低音は強くない
ここでは音質についてレビューする。執筆者はそんなに耳は良くないし、音質にそこまでのこだわりはない。だから厳密な評価やキレのある評価はできないが、素人としての意見を述べる。
低音は控えめ
Q35は思ってたより低音が強くない印象だった。Ankerといえばドンシャリで重低音ってイメージがあったからよりそう感じるのかもしれないが。
アプリのイコライザで低音をあげることは可能だが、低音を最大にしてもこんなもんかというくらいの低音の強度。現状愛用機のJabra Elite 75tが気持ち良い低音でこれを知っているからかもしれない。
イコライザはプリセットが用意されているが、カスタムすると上の画像のような感じ。8領域を自分の好きなようにいじることができる。低音を最大にしても強くなったなって感じる程度。
高音が余韻を持って響く
逆に驚いたのが高音。ズブの素人の意見だが、高音が余韻を持って響いているように感じた。普段から低音系を聴いているからかもしれないが、高音が伸びているように感じた。
ただ、ハイエンドの完全ワイヤレスイヤホンで感じた高音の伸びまではいかない。ヘッドホンでこの程度の伸びってのは多分、価格がモノを言っているんだろう。
ヘッドホンならではの開放感
完全ワイヤレスイヤホンとの決定的な違いは開放感。ヘッドホンということもあって、耳の外から音が出るのでフワッとした音が聴こえる印象。
表現が難しいが、イヤホンの時にあったような目の前(耳の前)で奏でられている感じではなく、もう少し遠くで奏でられているって感じ。なので、重低音だけではなく高音系の音楽にも向いてそう。
ANCは低音が残り高音が消えやすい
Q35にはアクティブノイズキャンセリング、ノイキャンが搭載されている。完全ワイヤレスイヤホンとは異なり、大きな筐体なのでその性能も段違いかと思いきや案外そうではなかった。
まあ、お値段がお値段だから多少の妥協は必要だろうが、意外に消えていなくてびっくりした。これも初めてノイキャンを使った時の感覚と同じ。自分の理想と現実は乖離している。
アクティブノイズキャンセリングの簡単な原理としては、ノイズ部分にその波と逆の形状をした波をぶつけることで±0、すなわち無音にするってこと。難しく言えば逆位相。中学・高校物理参照。
そこまで低音が消えることはない
で、高音ってのは波が細かいので、逆の形状の波をぶつけるのが難しい。細かい分・より正確に波を作る必要があるからだ。なので、低価格帯のヘッドホンだと少なくとも低音が無音だろうと思った。
思ったが、意外にも低音がガッツリ消えることはなかった。エアコンの音や換気扇の音が聴こえる。Jabra Elite 75tだとここら辺の音が感じられないくらいに消えるから驚き。
それでもノイキャンをつけていない時に比べると、明らかにノイズは減っているので、ノイキャンの効きはある。あくまでも想像よりも効いていなかったってだけ。
高音が消えやすい
これまた驚いたことだが、高音のノイズが結構消えた。執筆者は田舎住みで虫が多く、夏だと家の前の木からエグいくらいのセミの合唱が聴こえる。これが割と高音。
完全ワイヤレスイヤホンだと、ある程度消えてくれるものの、低音がノイキャンで消えるからセミの声が目立って聴こえる。音楽をかけているそこまで気にならないが、それでも残ってる感はある。
一方で、Q35の場合はこのセミの声もかなり軽減してくれていた。もしかしたらヘッドホンの特徴かもしれないが。なので、低音から高音まで満遍なくノイズを消してくれる優等生。
外音取り込みは高音が刺さるけど低音が響く
続いては外音取り込み機能。執筆者は家での使用が前提なので、外音取り込み機能を使用する機会は少ないがレビュー。低音がこもって聴こえて、高音が刺さる感じがする。そこまでキレイな外音取り込みではない。
キーボードの音が高く聴こえる
執筆者はキーボードとしてAppleのMagic Keyboardを使用している。このキーボードの打鍵音は割と高音気味。Q35の外音取り込みだとこの高音が変に強調されて耳に刺さるようになる。
多分、人の話し声をキレイに取り込もうとしているからだと思うけど、キーボードを使用する際には逆にこれがデメリットに。もちろん他の高音系の音も耳に刺さる印象。
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【Apple Magic Keyboardレビュー】純正配列は楽っすわ
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低音がこもって聴こえる
逆に低音はどうなのかというと、こもって聴こえる印象。ホワイトノイズ的なものもが上に乗って聴こえるためか、やたらと不自然に聴こえる。これを使用して外に出ると常に飛行機感が出るかも。
外音は割と取り込んでくれるけど
ということで、外音取り込みは高音が強めに取り込まれる印象。音量として大きめで外部の音と取り込んでくれる。しかし、音量が大きいからこそ低音と高音の変なバランスがしんどくなる。
アプリで外音取り込みの強度やイコライザが設定できればいいけど、これはできない。
アプリでの設定項目は少なめ
Q35にはアプリ「Soundcore」が対応している。このアプリでできることは基本的には以下。
- 充電残量の確認
- イコライザの調整
- ノイキャン、外音取り込み、標準の切り替え
- ノイキャンの強さ変更
- 環境音再生
- 装着検知のオン・オフ
- 右ハウジングのタッチでの外音取り込み切り替えのオン・オフ
- ファームウェア更新
- クイックスタートガイドの閲覧
ノイキャンの強度は交通機関でいい
アプリでモードの変更が可能だが、ノイキャンに関してはさらにその強度の変更も可能。しかし、ヘッドホン側での変更はできないため、強度を変更しようと思ったらわざわざアプリを立ち上げないといけない。
そんな面倒なことをするくらいなら最初から交通機関にすればいい。なお、交通機関が一番ノイキャンが強くて、屋外が一番弱い。
環境音を流せるがこれ使う?
Soundcoreアプリだと、環境音を自分で調節して流すことができる。鳥の囀りや焚き火の音など11種類から自分で最適な音を流すことができるので良い。
しかし、わざわざこれを使う場面が見えてこない。というのも、昨今は睡眠前にスマホはいじらないと言われている。そんな中でわざわざヘッドホンをしてアプリを起動して音を流すことをするのか。
寝るってなったらそのままヘッドホンを外して直接電源をオフにすればいいけど、ヘッドホンをしているというストレスを体に与えるのもなんだかなと思う。まあ、家の周りがうるさいとかなら必要かもしれんが。
良い点
さて、ここからは使っていて良い点を書いていく。
開放的な音の表現
これはQ35に限った話ではないが、やはりイヤホンに比べると音が広がって聴こえる。今までにない音の表現で感動した。まあ、ヘッドホンユーザーからすれば当たり前かもしれないが。
プリセットのイコライザがバカ多い
Soundcoreアプリからイコライザをいじることができるけど、そのプリセットがめちゃくちゃ多い。合計で22種類あるので、簡単に好きな音の作りに変えることができる。
自分が好きな音が分かれば、そのまま自作のイコライザでさらに自分好みにカスタマイズすればいい。
耳が痒くなりにくい
これも当たり前だけど、耳にイヤホンを入れるわけではないから耳が痒くなりにくい。執筆者は休日は一日中イヤホンをしているから、夕方くらいになると耳が痒くなったり痛くなったりした。
しかし、ヘッドホンにすることでそんなことがなくなった。代わりに、常に耳にヘッドホンがかぶさっているのでその違和感を感じることは多少なりともある。大きな問題ではないが。
NFCでのペアリングが楽ちん
Q35にはNFCでのペアリングが搭載されている。執筆者の使用しているRedmi Note 10 ProはNFCに対応したスマートフォンだったので、これを使ってペアリングを行った。
電源をつけてスマホをかざすだけで、以下の画像のように簡単にペアリングができた。ワイヤレス関連の初心者には嬉しい機能かもしれないが慣れると使わないし、この機能はペアリングでしか使わないから微妙っちゃ微妙。
ウィジェットでモード切り替えができる
執筆者の使用しているRedmi Note 10 Proではウィジェット機能でノイキャンや外音取り込みの切り替えと、ノイキャンの強度変更、バッテリー残量を示すウィジェットを配置可能l。
なお、ヘッドホン側からノイキャンや外音取り込みの操作はできるし、ノイキャンの強度も変更しないからウィジェットは必要ない派。
微妙な点
続いて、微妙だと感じた点。
アナウンスがやかましい
ノイキャンや外音取り込みを変更する際にいちいち音声が入るのがやかましい。一般人からしたら切り替えごとに音が鳴ってほしいらしいが、個人的にはサッと変えて欲しい。
音楽停止が右で電源オフが左
これは捜査面での話。Q35は左右のハウジング下にボタンが設置されている。
- 左: 電源、ノイキャンなどのモード切り替え
- 右: 再生停止、音量の上げ下げ
で、ヘッドホンを外して音を聴くことをやめる際には一回、右側で再生停止してから左側で電源を切らないといけない。そうなると両手が必要になる。
別に直接電源をオフにして再生を停止してもいいけど、なんかこだわりがあって、まずは再生停止をしてから電源を切りたい。なので、再生停止を左に割り振ってもいいのかなと感じた。
アプリの接続が遅め
これはどのイヤホン系のアプリでも同じことだったが、アプリとの接続が遅いように感じる。起動したらすぐにヘッドホンと接続して調節とかしたいのに、待たされるのはストレス。
今のところ最速と感じるのはGalaxy Buds Pro。これは端末に依存するかもしれないから一概には言えない。しかし、これからの新作にはもっと早く接続できるようにしてほしい。
ノイキャンがそこまで強くない
これは思い込みだったけど、意外にも低音のノイズが残ってしまった。まあ音楽をかけたらそこまでは気にしないけど、音楽なしでノイキャンのみで作業するには音が残りすぎな気がする。
代わりに高音が消えやすいのでプラマイ0なのかもしれないけど、意外や意外だった。
アプリからのノイキャン強度切り替え時にノイズあり
アプリでノイキャンの強度を変更する際に、強度のボタンをタッチすると「ボー」って外音っぽいのが流れる。シンプルに強度を変えてほしいんだけど、外部の音の認識が必要なのだろう。
だから、モード切り替えするたびに起こる低音ノイズでモードを変更しようとは思えなくなった。もっとも、基本は交通機関モードで良いとおもから変更しないけど。
サクッと使いたいならおすすめ
今回はAnkerのSoundcore Life Q35をレビューした。人生初のヘッドホンは安定のAnkerだったが、やっぱり値段がお手頃なだけあって、理想よりかは下だった。
しかし、そこまで音質にこだわらないだとか、サクッと購入してガシガシ使いたいって人には向いていると思う。執筆者は家では専らQ35を使用し、外ではイヤホンを使用するように生活をシフト。
ヘッドホンならではのロングバッテリーで充電切れの心配なく一日を通して快適に過ごせている。そこそこのクオリティをかなりお求めやすく。Ankerは恐ろしい。
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