今回はSONY、Technics、SENNHEISERのフラグシップ完全ワイヤレスイヤホンの「SONY WF-1000XM5」「Technics EAH-AZ80」「SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 3」の3機種を比較する。
これらのイヤホンはノイキャン・音質・機能性のどれをとってもかなり高レベルでどれを買っても満足できるイヤホンだ。
ただ、それぞれのイヤホンで特徴が異なるので、本記事では音質やノイキャンといった項目ごとに比較したい。それぞれのイヤホンはレビュー記事・レビュー動画もあるので、詳しく見たい人はそれらも見てほしい。
⇨SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 3のレビュー記事
⇨SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 3のレビュー動画
どれも3万円オーバーの高級なイヤホンなので、購入検討している人は是非とも読み進めてほしい。
なお、候補から外れた下記の3イヤホンの理由も書いておく。
- JBL TOUR PRO 2:操作内容の変更がパターンのみ
- SONYも同じだがノイキャンで選出
- Bose QuietComfort Ultra Earbuds:マルチポイント・ワイヤレス充電非対応
- AirPods Pro:Androidユーザーなので除外
3機種のスペック比較
項目 | SONY WF-1000XM5 | Technics EAH-AZ80 | SENNHEISER MTW3 |
---|---|---|---|
発売日 | 2023年9月1日 | 2023年6月15日 | 2022年5月20日 |
価格(Amazonで2023年10月9日時点) | ¥36,800 | ¥37,000 | ¥39,930 |
カラーバリエーション | ブラック プラチナシルバー |
ブラック シルバー |
ブラック ホワイト グラファイト |
最大再生時間 | 最長8時間(イヤホン本体・ANCオン) 最長24時間(ケース込み・ANCオン) 最長12時間(イヤホン本体・ANCオフ) 最長36時間(ケース込み・ANCオフ) |
最長7時間(イヤホン本体・ANCオン・AAC) 最長28時間(ケース込み・ANCオン・AAC) 最長4.5時間(イヤホン本体・ANCオン・LDAC) 最長16時間(ケース込み・ANCオン・LDAC) |
最長7時間(イヤホン本体・ANCオフ) 最長28時間(ケース込み・ANCオフ) |
ANC | ○ | ○ | ○ |
外音取り込み機能 | ○ | ○ | ○ |
防水・防塵 | IPX4 | IPX4 | IPX4 |
イヤーピースの形状 | 円形 | 円形 | 円形 |
ワイヤレス充電(Qi) | ○ | ○ | ○ |
専用アプリ | ○ | ○ | ○ |
コーデック | SBC、AAC、LDAC、LC3 | SBC、AAC、LDAC | SBC, AAC, aptX, aptX adaptive |
ドライバー | 8.4mmダイナミックドライバー | 10mmアルミニウム振動板 | 7mmダイナミック |
装着検知 | ○ | ○ | ○ |
マルチポイント | 2台 | 3台 | 2台 |
風切り音低減 | ○(ハードトして搭載) | ○ | ○ |
操作変更 | 3パターンから変更可能 1, 2, 3, 4回タップ, 長押し対応 |
1, 2, 3回タッチ、長押し | 1, 2, 3回タッチ、長押し |
タッチ式かボタン式 | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 |
今回比較する3機種のスペックを比較すると上のようになる。ノイキャンやワイヤレス充電に対応といった基本的なことには当然対応しているが、SONYTechnicsはLDAC対応、SENNHEISERはaptX系に対応などところどころ異なる点がある。
SONYは次世代コーデックLC3に対応、Technicsは3台マルチポイント対応と2023年発売の両機種は2022年発売のSENNHEISERよりワンランク上の性能となっている。
外観の所有欲はTechnicsとSENNHEISER
まずは外観としてケースとイヤホン本体のデザインを中心に見ていく。注目されがちで重要なのは音質やノイキャンだが、見た目が良いと所有欲を満たしてくれる。
サイズ的にはSENNHEISERが一番大きく次点かつ僅差でTechnics、一番コンパクトなのがSONY。イヤホン本体も同じ感じでSONY WF-1000XM5がダントツで小さい。
外観
SONY WF-1000XM5:
Technics EAH-AZ80:
SENNHEISER MTW3:
SENNHEISERのファブリック調とメタリック
SENNHEISER MTW3のケースはファブリック調で荒めの布のような質感が特徴的。表面はザラザラしているので長期間使用すると毛羽立って繊維が消えていく。
実際に長期間使用したSENNHEISER MTW3はかなり表面がツルツルになった。というのを故障し新しいのを送ってもらってから気づいた。
イヤホン本体は無難なブラックだがタッチセンサー部分の表面にスピン加工のSENNHEISERロゴがあり高級感を醸す。さらに表面はパッと見メタリックなのでかっこいい。
イヤホン本体は四角い形状なので独特だが耳にフィットしやすく付け心地は良好。ただし、ちょっと大きいのでサイズには注意してほしい。
Technicsのスピン加工のメタリック
Technics EAH-AZ80はケースもメタリックで高級感がある。んだが、ケースがメタリックなのはフタ部分だけでケースの下部は普通のプラスチック。しかも押すと軋むからちょっと怖い。
ケースのメタリックな部分はヘアライン加工で高級感があるものの、これを目当てに選んでしまうとケース下部のプラスチック感が悪目立ちする。
イヤホン本体は割と大ぶりでSENNHEISERとは異なり表面は円形のスピン加工。Technicsはよりメタリックでギラついているのでインパクトがある。
また、Technics EAH-AZ80のブラックモデルは黒い本体に金色でTechnicsのロゴなのでかなり高級感がある。
サイズは大きめだがAZ80は耳にフィットするように設計しているためか割とフィットする。しかし、ちょっと緩い時もあるので装着時にベストポジションを見つけるのが良い。
SONYは無難かつ謎のツートン
SONY WF-1000XM5のケースは良くも悪くも無難な黒いプラスチック。全体的に同じ質感のマット加工で光を当てると皮脂汚れや傷が目立ちやすい。
ただ、ケースのサイズは本記事で比較する3イヤホンに比べると一番小さく持ち運びに適している。
イヤホン本体はかなり小ぶりでおもて面がマットな質感でかっこいいが、なぜか今作M5は側面から裏面が光沢仕上げに変更したせいで指の皮脂でかなり滑りやすい。
さらに光沢仕上げなので耳の皮脂がついて取り外すときにも滑りそうになるし、見た目的にもよろしくない。
マットと光沢のツートンカラーはデザイン面なのか予算面なのか性能面なのか原因はわからないが、どうしても取り回しと見た目でよくない印象になる。
音質は好みだがSENNHEISERが一枚うわて
続いては音質面だが、音質は人の好みがかなり大きく低音が好きな人もいればバランス重視の人もいる。執筆者はドンシャリ寄りのバランスが好み。
これを踏まえると個人的にはSENNHEISERの音質がバランスも良くて空間的な広がりがあって好みだった。
ただ、音質は好みが大きいしハイエンドクラスになるとどのイヤホンでも音質はカンストしているから視聴して好きなものを選べばいい。
音質
SONY WF-1000XM5:
Technics EAH-AZ80:
SENNHEISER MTW3:
力強い迫力で安定のSONY
SONYといえば低い低音を思い浮かべる人も多いだろうが、SONY WF-1000XM5も低音を低く深く鳴らすことが可能。イコライザで低音を増やすことができるし、イコライザのCLEAR BASSでさらに低音を増やせる。
イコライザのプリセットが多いので簡単に自分好みの音質に変更できるし、ファインドユアイコライザーを使えば普段聴いている音楽をベースに自分好みの音質に帰ることができる。
メジャーなドンシャリにもできるし高音を繊細に鳴らすこともできるし、自分の聴いている音楽ジャンルに合わせられる。この自由度の高さがSONYの魅力だ。
高音の繊細さもあるTechnics
一方でTechnics EAH-AZ80は低音もしっかりあるものの個人的には高音のキレイさが目立つ印象。ジャズやクラシックなどのピアノ曲を繊細に聞きたい場合にマッチする音質だ。
ただ、ちょっと高音がキツいように感じる時もあるくらい高音が煌びやかに鳴るので、高音がしんどいと感じたらイコライザで調節する必要がある。
なお、Technicsはカスタムイコライザはあるもののパーソナライズのイコライザには非対応。自分で作るしかない。
空間的広がりと美しい高音のSENNHEISER
個人的にはSENNHEISERのバランスもありつつ高音が美しいサウンドが好み。高音がキレイなのはTechnicsと同じだが、SENNHEISERはより柔らかい印象。また、空間的な広がりがあるので臨場感のあるサウンドを聴くことできる。
なお、SENNHEISERはSONYと同じように半自動のパーソナライズのイコライザに対応しているので自分に合った音質を見つけやすい。
ノイキャンはSONY WF-1000XM5が圧倒的
続いては最近のワイヤレスイヤホンでは必須のノイキャン性能を比較する。ノイキャンはSONYが圧倒的に高い。なんなら前作のM4でもかなり強力だったから、M5に進化したことでさらに差を引き離す結果となった。
ノイキャン
SONY WF-1000XM5:
Technics EAH-AZ80:
SENNHEISER MTW3:
SENNHEISERは風切り音低減オフだとマシ
SENNHEISER MTW3には通常のノイキャンと風切り音を低減するためにマイクをオフにしたノイキャンの2種類がある。もちろん前者の通常のノイキャンの方が強いんだが、それでも他の2機種に比べると弱め。
フルマックスの空気清浄機の低音はかき消すことができるが、中高音域は割と普通に入ってくる。音楽をかければそこまで気にならないが、車や電車の走行音レベルだとノイズが消えてない感が否めない。
ただ、それでも2万円台クラスのノイキャンがあるので、多くの人は満足できると思う。
Technicsのノイキャンは一歩及ばず
Technics EAH-AZ80はSENNHEISER MTW3に比べると格段にノイキャン性能が高く、執筆者はさらにノイキャン性能を高めるためにイヤーピースにCOREIRを使っているが、それでもあと一歩及ばず。
一応、Technics EAH-AZ80の公式的には業界最高クラスとは謳っているから強力なのには間違いないが、SONY WF-1000XM5と比較するのは酷だった。
もちろん上を見なければ十分強力なので、Technics EAH-AZ80のノイキャンが弱いわけではない。相手が悪かった。
SONYのノイキャンは最強クラス
SONY WF-1000XM5のノイキャンは装着しているイヤーピースの「ノイズアイソレーションイヤーピース EPNI1010M」も相まってマジで遮音性が高い。
フルマックスの空気清浄機の音はほぼ消えるし、車や電車の走行音もかなり軽減してくれる。イヤーピースが耳にしっかりフィットしていれば電車でも快適にYouTube動画を閲覧できる。
なお、イヤーピースに少しでも隙間があればノイキャン性能が10,000円クラスのイヤホン並みにいなるので注意。しっかりフィットさせよう。
外音取り込みはSENNHEISERとSONYが聴きやすい
ノイキャンとくれば続いては外音取り込み。外音取り込みはフラグシップ機でも微妙なものが多いが、今回比較している3機種に関してはどれも優秀。
ただ、Technicsは操作性を重視すると外音取り込みで声の帯域を強調する仕様なので、この点を考慮すると全体的な音の帯域のキレイさならSENNHEISERとSONYが一枚うわて。
外音取り込み
SONY WF-1000XM5:
Technics EAH-AZ80:
SENNHEISER MTW3:
SENNHEISERとSONYは同じくらいキレイ
SENNHEISER MTW3とSONY WF-1000XM5の外音取り込みはかなり自然でレジでのお会計でも普通に使えるし、カフェでの注文も問題なかった。
また、スタバで作ってもらっている最中に店員さんに絡まれてもそのまま会話できるので、外音取り込みはBGMありな状況でも会話可能なレベル。
Technicsはアテンションにすると機械音っぽくなる
Technics EAH-AZ80は通常の外音取り込みモード「トランスペアレント」ならSENNHEISERとSONYと同じようにキレイだが、外音取り込みと同時に一時停止ができる「アテンション」だと外音取り込みが機械音っぽくなる。
というのもアテンションモードでは自動的に会話しやすいように会話やアナウンスの声を強調する設定になるから。なので声以外の帯域の音が歪んでしまうんだ。
ただ、機械音っぽくなると言っても普通に会話できるので、会話という点ではどのイヤホンでもいい。
SENNHEISERとTechnicsは外音取り込みと同時に一時停止
少し触れたが、Technics EAH-AZ80は外音取り込みの操作と同時に一時停止も可能。この機能はSENNHEISER MTW3にも搭載されておりめちゃくちゃ優秀。
というのも、外音取り込みで会話したい時は音楽は切りたい。この時、外音取り込みと同時に一時停止できたら1操作で完結できる。
初めてこの機能を使った時からあまりにも楽すぎて吠えているので、全イヤホンに外音取り込みと同時に一時停止できる機能をつけてほしい。
風切り音低減はTechnicsがダントツ
ノイキャン中のイヤホンに風があたることでボウボウと聴こえる風切り音低減の精度・強度について。あまり話題にならないが、個人的にはめちゃくちゃ重視している。
というのも風切り音低減に対応していれば音量を上げなくても音楽を快適に聴けるし、音楽だけに集中できるから。搭載イヤホンは増えてきたけどまだまだ少ない。
今回の3機種中ではTechnicsが圧倒的に自然だった。
風切り音低減
SONY WF-1000XM5:
Technics EAH-AZ80:
SENNHEISER MTW3:
SENNHEISERは常時開放型でノイキャン弱め
SENNHEISER MTW3の風切り音低減は常時開放型で、アプリで機能をオンにすると常に風切り音低減になる。要するに風切り音低減をつけている間ずっとノイキャンが弱くなるんだ。
元からノイキャン性能が低いSENNHEISER MTW3のノイキャン性能を弱めることになるので風切り音低減時のノイキャンはかなり弱い。
もちろんオフ状態よりはノイキャンされているが、10,000円以下のイヤホンクラスよりノイキャンが弱いイメージ。
SONYはハードウェアとして搭載
SONY WF-1000XM5にはソフト側の風切り音低減は搭載されていないが、ハードウェア的に風切り音を低減するような機構を搭載している。
ソフトで処理しないので多少の風切り音はするんだが、それでも風切り音低減の機構・機能がないイヤホンに比べると格段に風切り音はしない。
ただ、ハードウェアに加えてソフト側でも風切り音低減の機能があると完璧に風切り音対策ができる。
Technicsは自然すぎる風切り音低減
Technics EAH-AZ80の風切り音低減は自然すぎて使用当初は風切り音低減のソフト的な処理はなく機構として搭載していると思っていた。
しかし、よくよく聴いてみると少しノイキャン性能が落ちているので風切り音低減はソフト側で対応している。
加えてハード的にも風切り音を低減するような機構を搭載しているので、素の状態でも風切り音は低減されている。
操作性はSENNHEISERが最高に使いやすい
続いてはユーザー体験に多大な影響を与える操作性について。3機種ではTechnicsとSENNHEISERが使いやすいが僅差でSENNHEISERが勝利。SONYは論外。いつまでそれやってんねんと思っている。
操作性
SONY WF-1000XM5:
Technics EAH-AZ80:
SENNHEISER MTW3:
SENNHEISERの操作性の自由度は最高
SENNHEISER MTW3で設定できる内容は以下の9種類で、音量調節を長押しに割り振れば長押ししている間ずっと音量調節される。
- 左右1, 2, 3回タップ、長押し
- 機能なし
- 再生/一時停止
- 次のトラック(曲送り)
- 前のトラック(曲戻し)
- 音声アシスタント(Googleアシスタントなど)
- 音量上
- 音量下
- ノイズキャンセリング
- トランスペアレントモード(外音取り込み)
これらの操作内容を1, 2, 3回タップと長押しに自由に割り振れる。驚異的。執筆者はすぐにノイキャン系の切り替えがしたいので1タップにノイキャン系の切り替え、2回タップには再生/一時停止を割り振っている。
他のイヤホンからSENNHEISERに乗り換えた時や普段の自分の生活で使いやすいようにユーザーが自分で設定できるのが最高に最高。
Technicsはあと一歩のところで謎仕様
Technics EAH-AZ80も同じようにかなり自由に設定できるが、なぜか長押しは割り当てられる操作内容が極端に減る。
- 左右1, 2, 3回
- 再生/一時停止
- 曲戻し
- 曲送り
- 音量ダウン
- 音量アップ
- ノイキャン系の切り替え
- 外音取り込み or オフ → ノイキャン
- ノイキャン or オフ → 外音取り込み
- ノイキャン or 外音取り込み → オフ
- 機能割り当てなし
- 左右長押し
- 音声アシスタント
- ノイキャン系の切り替え
- 電源オフ
- 機能割り当てなし
長押しに音量調節を割り振れたらSENNHEISER MTW3と同じように操作できるのに対応していないから1, 2, 3回タップのどれかに割り当て。
1回タップはすぐに切り替えたいからノイキャン系、2回タップはよく使う再生/一時停止に割り振ったら3回タップは曲送り系か音量調節系の片方を選んでもう片方を捨てないといけない。
で、ノイキャン切り替えは1回タップで割り振っているので長押しはあまり使わない音声アシスタントを割り振り。なぜこの絶妙な操作内容にしたんだ?
SONYはそろそろ改善してほしい
で、問題なのがSONYで前作のSONY WF-1000XM4から操作内容のパターン設定しかできないのは残念と言われて改良したのが4回タップによる音量調節の追加。違う違う。そうじゃない。
多分、技術的にパターン入力じゃないとうまく制御できないからだと思うが、そろそろ操作内容の設定をユーザーが自由に決められるようしてほしい。
このパターン入力のせいで気になっていたJBL Tour Pro2は見送った。SONY WF-1000XM5は話題性とノイキャン性能と音質の好みで選んだ。
アプリでできることはSONYが多いが
続いては最近のアプリでは対応していて当たり前なアプリでできる機能について。アプリは各イヤホンそれぞれで特徴があり、できることもさまざま。個人的にはSENNHEISERのシンプルなUIか項目ごとに設定できるSONYのUIが好き。
なお、どのアプリでもバッテリー残量の確認やイコライザの変更、ノイキャン系の切り替えや操作内容の変更などの基本機能には対応。
ここでは全体的なアプリの使い勝手を見ていく。
アプリでできること
SONY WF-1000XM5:
Technics EAH-AZ80:
SENNHEISER MTW3:
SENNHEISERは直感的に全ての設定が可能
SENNHEISERのアプリは「Sennheiser Smart Control」で上の画像のように2画面で完結するシンプルさが魅力。このアプリの中で接続アプリの切り替えからイコライザや操作内容の変更、不要な設定項目の非表示が可能。
発売から1年以上経過してもたまにアプリの内容が更新されているので、アプリ開発にも真摯に向き合っている感が伝わる。
個人的にはアプリを長期開かずにログアウトされた後のログインが失敗することが多いのでそこを改善してほしいくらい。
Sennheiser Smart Control
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Technicsは色が少なくて見づらい
Technics EAH-AZ80のアプリ「Technics Audio Connect」は白を基調として重要なところを黄色で示すニューモーフィズムのシンプルなつくりなんだが、全体的に色と境界線がなさすぎてわかづらい。
上の画像の最初の方はスマホで表示される領域だが、実は次の画像のように下にかなり項目があるんだ。執筆者は初見で設定項目少ないと感じてしまったので、ある程度の分かりづらさがある。
慣れると設定項目がどこにあるのかは大体わかるが、直感的に分かりづらいと感じた。
Technics Audio Connect
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SONYはできることが多いが使わない
SONY WF-1000XM5の「Headphones Connect」は設定項目がかなり多く、より自分に合わせた設定ができる。んだが、立体音響もスピークトゥチャットも外部アプリ接続も正直使わない。
特に外部アプリとの連携はその外部のアプリに登録して課金しないといけない場合もあるので、大多数の人は躊躇してしまう。もちろん連携できればかなり使いやすいんだろうが。
まあ将来のことを考えての連携だろうが、直近で見ると使えるけど使わない選択をとってしまうアプリだ。
Sony | Headphones Connect
Sony Corporation無料posted withアプリーチ
マルチポイントの快適さはSENNHEISERが勝利だが
最後に複数のデバイスに同時に接続できるマルチポイント機能の使い勝手を比較する。今回の3機種はどれもマルチポイントに対応しており、SENNHEISERとSONYは2台、Technicsは3台までのデバイスと同時に接続可能だ。
ただ、複数デバイスに同時接続するのでどのデバイスで再生するのかという点が問題になる。これまで腐るほどのイヤホンを使ってきた中で最高はSONY WF-1000XM4。そう、M5の前作。
マルチポイント
SONY WF-1000XM5:
Technics EAH-AZ80:
SENNHEISER MTW3:
TechnicsはPCに再生優先があるので面倒
どうやら執筆者環境だとTechnics EAH-AZ80はマルチポイント時にはPC(Mac)に再生の優先があるっぽい。なのでスマホで再生した時、PCで再生していると誤認識されてスマホで延々と再生されない。
仮にバッグにMacを入れてスマホで再生した時、Macで再生されていると誤認識されたら、いちいちMacを開いてTechnics EAH-AZ80の接続を解除するかMacの再生先をTechnics以外にする必要がある。
これがマジでストレスなので、Macを持ち運ぶ時はTechnics EAH-AZ80は使わないようにしている。道端でMac開いて設定するのはキツすぎる。
SONYは強制的に接続先を変更される
SONY WF-1000XM5も執筆者環境ではMacに再生優先があるので同じことが起きるが、SONYはアプリ上でどのデバイスから再生するのかを選択できる。
んだが、SONY WF-1000XM5はセカンダリのデバイスで再生を止めたら強制的に優先デバイスに接続先が切り替えられる。ここで言えばスマホ(セカンダリ)で一時停止したら強制的にMac(優先)に再生先を切り替えられる。
意味不明すぎて再生の優先順位を変えたいがアプリ上では不可。アプリを消してもログアウトしてもペアリング解除しても無理だった。M4では起きなかったのに。
SENNHEISERは接続切り替えができるからまだマシ
で、SENNHEISERもなぜかPCが再生優先なんだけど、SENNHEISERもSONY同様アプリ上で接続先の切り替えが可能。また、SONYとは異なり再生デバイスの強制変更もないのでまだマシ。
ただ、PCが再生優先なのでスマホで再生した時に再生を止められるのは勘弁してほしい。いちいちアプリを起動して認識して接続入れ替えしないといけない。
SONY WF-1000XM4のマルチポイントは最高に安定
これまで数々のマルチポイント対応イヤホンを使ってきて一番安定しているのがSONY WF-1000XM4。M4はアップデートでマルチポイントに対応したんだが、完成度は最高。
再生の優先がないし再生先の強制変更もない。意図したデバイスで自然と再生されるのでストレスが一切なかった。M5のは多分バグだがからいずれ修正されるだろうが、現状はM4が最高
3機種それぞれがおすすめな人
ここまでSONY、Technics、SENNHEISERの3機種を比較したが、それぞれのイヤホンがどういった人におすすめなのかを紹介しておく。
SENNHEISER MTW3がおすすめな人
まずはSENNHEISER MTW3がおすすめな人はノイキャンの強度より音の空間的な広がりと安定した機能性が欲しい」という人。
個人的にSENNHEISERの空間的に広がりのあるサウンドが好みで、機能性もかなり高いので満足度が高い。
ただ、ノイキャン性能が最近のフラグシップの中では弱めなので、ガッツリ集中して作業したり電車移動で使用するとなると心許ない。
Technics EAH-AZ80がおすすめな人
続いてTechnics EAH-AZ80がおすすめな人は「マルチポイントで3台のデバイスを繋ぎつつ、ノイキャンを効かせて作業したい「という人。
業界初の3台同時接続ができるので、スマホとPCとタブレットというようにマルチにデバイスを繋いで作業したい人にはピッタリだ。
また、ノイキャン性能もかなり高いので複数デバイスでガッツリ集中して作業したい人におすすめ。
SONY WF-1000XM5がおすすめな人
最後にSONY WF-1000XM5がおすすめな人は「音質・機能性を確保しつつもノイキャン性能も最高がいい」という人だ。
確かにノイキャンにだけ絞れば「Bose QuietComfort Ultra Earbuds」「Apple AirPods Pro」が上かもしれないが、ワイヤレス充電に非対応やガイダンス音を減らしたりといった付加機能に乏しい。
これらの機能もある程度は確保しつつも強力なノイキャンを求めているならSONY WF-1000XM5がおすすめだ。
ノイキャン最強のSENNHEISERが出たら丸く収まる
ということで最後に個人的にこれが出たら最強というのが「ノイキャン最強のSENNHEISER」だ。音質はSENNHEISERが好みで見た目もSENNHEISERは高級感がある。
また、操作内容の変更も自由だし外音取り込みと同時に一時停止もできるしマルチポイントにも対応。アプリ上で接続先の切り替えもできる。
唯一SENNHEISER MTW3はノイキャンが弱めだったので、ノイキャンを最強にしたらそれはイヤホン界で覇者になる。そうなると価格も覇者になりそうだが。
SONY vs Technics vs SENNHEISER
今回はSONY vs Technics vs SENNHEISERということで「SONY WF-1000XM5」「Technics EAH-AZ80」「SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 3」の3機種と色々な項目で比較した。
どれも良い点・微妙な点があって十人十色だが、個人的にはノイキャン性能を重視したいのでSONY WF-1000XM5を継続使用する。
SENNHEISER MTW3は2023年はフラグシップを出していないので2024年に最強のノイキャンを期待したい。
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